バイク ABS ブレーキフルード交換 3 リア偏

という訳で、次はリアブレーキフルード交換です。

▼ 前回の記事はこちら

ABS ブレーキフルード交換 2 フロント偏

 

 

バルカンSリアブレーキマスターシリンダーボックス

外からは見えません。

 

ラジエーターの後ろに位置しています。

反対側から見ると見えます。

 

という訳でバルカンSの場合は、リアブレーキフルードを交換するには

マスターシリンダーボックスのステーを、車体から外さなければなりません。

 

まずは外側のステーのビスを外します。

 

次に車体の裏側のボルトを外します。

 

 

これでステーがフリーになりました。

これでやっとマスターシリンダーボックスを取り出せました。

そしてマスターシリンダーボックスの蓋を留めている

カバーを外します。

最後にマスターシリンダーボックスを、適当な場所にステーをかけます。

次に、リアキャリパー側のフルード交換の準備です。

 

ニードルキャップを外します。

メガネレンチをかけて。

ホースを装着。

ホースをクリップで留めて。

準備完了です。

マスターシリンダーボックスの蓋を開けておきます。

 

 

後はブレーキペダルを手で押し込んで、圧力をかけて

キャリパーのブリードニップルを緩めます。

そして再びブレーキを掛ける。

これを繰り返してブレーキフルードを入れ替えます。

 

フロント同様に、マスターシリンダーボックスの液面が下がって来るので、新しいブレーキフルードを注ぎます。

ちなみに、リアのブレーキフルード交換の時は、フロントの時ほど神経質にならなくても大丈夫です。

 

リアのマスターシリンダーボックスはマスターシリンダー本体よりも離れた位置に在るので、ボックスが空に成っても

マスターシリンダーの所まで下がらない限り、エアーが入る心配は有りません。

ABS仕様なのでフロント同様に、ブレーキフルードの入れ替え量は多くなります。

 

詳しくはABS経路図を参照してください。

 

最後にマスターシリンダーボックスブレーキフルード規定値になる所まで、フルードを入れます。

 

UPPER(上限)とLOWER(下限)の間に

ブレーキフルードの液面が来るように入れます。

 

上限と下限の間と言っても実際には、フルード面を下限付近の位置にはしません。

 

それはブレーキパッドが減ってくると、液面も下がるので

下限付近に液面を持って来ると、下限よりも下がった場合にフルードの補充の必要が出てきてしまうからです。

 

なので上限の位置を目安に、フルードを入れるのが基本です。

 

マスターシリンダーボックスにダイヤフラムを入れて

蓋をします。

蓋のカバーをしたら、後はステーで固定します。

 

これでABS搭載車の、ブレーキフルード交換が完了しました。

ABS搭載車はブレーキホースが、ABSユニットを介して

キャリパー迄繋がっているので

多めのフルード交換を心がけましょう。

 

 

またホースが長い分、フルード量も多くなるので

ABS非搭載車と比べた場合、ブレーキフルード劣化の影響は僅かに大きくなります。

 

なのでABS搭載車は2年毎の交換を順守した方が良いです。

 

 

 

最後に

現在ABS搭載車ブレーキフルード交換に関しては

情報が錯綜している様です。

 

ネット上の記事、又はメーカーですら謝った認識の情報が多いです。

※メーカーのカワサキさんですら、誤認していました。

多いのが、ABS搭載車ブレーキフルード交換に関しては、ABSユニット専用の器具経路を開放させて、フルードを交換しないと、ABSユニット内のフルードを交換できないという、誤った情報が結構出ています。

恐らくはBMWを始めとするABSユニットや、国産車のコンバインドブレーキ、CBR1000RRのコンバインドABS等

これらはユニットに独立したブリードニップルが在り、そこから古いフルードを排出する構造になっています。

この印象が現在の汎用タイプのABSユニットにも影響しているのかと思います。

 

ちなみにCBR1000RRコンバインドABSは、フロント側だけでも6か所のブリードニップルが在るという事です。

またABSユニット内の経路を開放するのには、専用モードにする必要が有り、カウルやラジエーター、マフラー等を外す必要が有り、とんでもなく大変な作業だそうです。

いくらSSバイクと言えど、ブレーキフルードを交換するのに、そこまで整備性が悪いのは、設計に問題が有ると言わざるえません。

 

我がバルカンSもエアークリーナーまでアクセスるのに、タンクを外さなければらない事を知った時はショックでした。

 

バイクは高性能化が進み、マスの集中化に伴い

整備性が悪化しています。

 

やはりバイクの様に、自分で整備する機会が多い乗り物に関しては、整備性の改善をメーカーさんには努力して欲しいものです。

 

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