KSR110を購入して早15年目になります。
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走行距離はまだ13000キロと、大して走っていませんが
ゴムパーツは経年劣化しているので交換する必要が有ります。
ちなみにキャリパーのオーバーホールの頻度は
エンジンオイルの様に明確な交換期間は有りませんが
一般的には
期間で言うと一般的に(5年~10年に一度)
走行距離で言うと(5万キロ~10万キロに一度)
この位が一つの目安となります。
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販売メーカーも特にオーバーホールの頻度は
アナウンスしていませんが
それは車検等の点検時にキャリパーをばらすので
その際に劣化していれば交換する。
または整備者の判断で5年以上変えていないのであれば
交換を提案する場合が多いです。
キャリパーのオーバーホールとは
キャリパー自体を交換する訳では無く
キャリパーのピストンシールリングと
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スライドピンのダストブーツを交換します。
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また状況によってブレーキパッドのパッドピンと
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ピストンも劣化していれば交換します。
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という訳で今回は
15年と言う期間を考えると基本的に
全てのゴムパーツは劣化していると考えて間違いないので
ピストンシールとダストブーツを注文しました。
ピストンシール
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ダストブーツ
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部品が欠品していたらしく
1週間程待ってやっと到着しました。
ちなみにキャリパーをオーバーボールするやり方は
3通り有ります。
1つは正規の方法で
ブレーキフルードを抜いてからキャリパーを外して
キャリパーのピストンをピストンツールで引き抜く方法です。
この方法が最も無難です。
▼ピストンツール
2番目は1番目と同様にブレーキフルードを抜いてから
キャリパーを外して
エアーコンプレッサーでピストンを押し出す方法です。
プロはこの方法でやります。
ただこの場合はコンプレッサーが無いと出来ないので
出来る人は少ないでしょう。
▼コンプレッサー
そして3番目は
ブレーキフルードを抜かない状態でキャリパーを外して
ブレーキを何度か掛けてブレーキの油圧で
ピストンを押し出して抜く方法です。
この方法はピストンツールも必要無いので最も手軽ですが
ピストンが抜ける時に同時にフルードが抜けるので
事前に受け皿を用意して
外装等ににフルードが付着しない様に注意する必要が有ります。
またマスターシリンダー内のフルードが空になって
ピストンが抜けきらない事が有るので
その場合には事前に予備のフルードが必要になります。
なのでお勧めはピストンツールを使用して
ピストンを引き抜く方法です。
今回は3番目のブレーキフルードを抜かずに
ブレーキ圧でピストンを押し出す方法で
キャリパーオーバーホールを行います。
それではキャリパーを外します。
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まずはブレーキパッドを留めている
パッドピンを緩めます。
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この時点で緩めておかないと
キャリパーを外してからでは
キャリパーを固定する器具が無いと外すのが非常に大変だからです。
次にキャリパーサポートを外します。
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そうするとあっさりとキャリパーが外れます。
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実はキャリパーは意外と簡単に外れます。
それでは次にパッドピンを外します。
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このパッドピンは固着している事が多く
その場合は中々抜けません。
その場合はパッドピンの裏側から
六角レンチで押し出すと抜けます。
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パッドピンが外れました。
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激しく腐食しています。
これはもう再利用できないので
新たにパッドピンを注文する事になりました。
磨いて綺麗になる場合は再利用できます。
それではピストンを外します。
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この状態からどんどんブレーキを掛けていくと
ピストンが押し出されます。
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結構出てきました。
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と……ここで困った事に。
マスターシリンダー内のフルードが空になってしまい
ピストンが抜けきらない状態になってしまいました。
手持ちのフルードも無いので
仕方なく荒業を使ってピストンを引き抜く事にします。
それはウォーターポンププライヤーでゴム噛ませた状態で
ピストンを掴んで引き抜きます。
抜けました。
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ちなみにこの方法は基本的にはやらないでください。
ウォーターポンププライヤーの掴み部分が滑ったり
ゴムが切れたりすると
ピストンを傷つけてしまう事が有るからです。
ピストンのシールと接触する面が傷ついてしまったら
フルードが漏れてしまうので交換するしかありません。
という訳でフロントのキャリパーが外れました。
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それでは次にリヤのキャリパーを外します。
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まずパッドピンを緩めます。
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KSRの場合はこの時点で
丸で囲ったキャップを外してその中に有る
スライドピンを緩める必要が有ります。
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この時点でスライドピンを緩めます。
かなりのトルクで締まっているので
キャリパーを外した状態では
固定具が無い限り緩めるのは無理でしょう。
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スライドピンを緩めたら
次にキャリパーサポートを外します。
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これでキャリパーが外れました。
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パッドピンを外します。
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こちらも裏から六角レンチで押し出してはずします。
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パッドピンが外れるとパッドが外れます。
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次にブレーキを掛けてピストンを押し出します。
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リヤのピストンはあっさりと抜けました。
これで前後のキャリパーが外れました。
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最後にブレーキホースから
しばらくフルードが落ちるのでティッシュを巻いておきます。
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フロントのブレーキホースも同様に
ティッシュを巻いておきます。
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ホコリなどの異物が混入する事を防ぐ役割も有ります。