バルカンS インプレッション

バルカンSを購入して1年が経過しました。

 

そこで、このバイクのインプレッションをしたいと思います。

 

このバイクの際立った特徴は何といっても

クルーザーのルックスロードスポーツのエンジンを積んでいる点でしょう。

具体的に言えばワイドハンドル

フォワードコントロール

ロングホイールベース

といったクルーザーの特徴を色濃く持っています。

 

しかしエンジンパラレルツイン180度位相クランク

水冷DOHC4バルブ

ボア83.0mmに対してストローク60.0mmという

ショートストロークのエンジンです。

 

一般的にはクルーザーのエンジンは

低回転のトルクを出す特性に絞った設定になっています。

 

その為ボアとストローク比が同程度か

ストローク量がボアより大きいのが普通です。

 

つまりロングストロークエンジンクルーザーにはマッチすると考えられている訳です。

 

ロングストロークエンジンは設計上低回転

大きなトルクを発生する事が出来ます。

 

その為高速域でも低いエンジン回転数で走行できるので

燃費に優れる面もあります。

 

またそのトルク特性上タンデム時も無理に回転を上げなくとも

走るので扱い易い特性が有ります。

 

またアイドリングから太いトルクを発生するので

発進時やコーナーリング時等の

低速時の運転操作が比較的安楽になります。

 

そういった理由から

クルーザー = 大排気量

と言う流れが有ります。

 

 

しかしその反面、絶対的な出力を出しづらいという弱点が有ります。

 

また低回転で大きなトルクを発生させようとするので

どうしても排気量が大きくなってしまいます。

 

そうするとエンジンが大きくなるので重量が上がってしまいます。

 

それに比べてショートストロークエンジンは

低回転でのトルクが細いのでどうしても

エンジン回転数を上げて走る事になります。

 

また上り坂なども回転数が低いと失速しやすいです。

 

その為高速巡行時はエンジン回転数が高めになり

燃費面も悪い傾向に有ります。

 

CB400SFのVTECエンジンはそれを改善する為に

低、中回転時は吸排気バルブを半分停止して

燃料消費量を抑える事に成功しました。

 

 

反面、ショートストロークエンジンは出力を出しやすく

排気量を抑えても十分なパワーが出せるのでエンジンも軽くなります。

 

またショートストロークエンジンはDOHC4バルブという

高速で吸排気バルブを開閉させる設計と相性が高く

結果的にダッシュ力が有るエンジンにする事が出来ます。

 

反対にロングストロークエンジン高速運動が苦手

どうしてもレブリミットが低くなってしまいます。

 

この事からもバルカンSは、バイクの性格を決定する最も重要な要素である

エンジンをロードスポーツ系にした事は非常に勇気の有る決定であったと思います。

 

このあたりはロードスポーツ系のディスバンテージである

低回転でのトルク不足を650ccという

排気量で有る程度補う事が出来ています。

 

次に足回りですが

バルカンSはの足回りの設定は完全にロードスポーツです。

 

回頭性の高いフロント18インチホイール

 

リヤは17インチホイール

 

応答性が良い前後ディスクブレーキ

 

高い追随性を持ったモノリンク式サス

剛性の高いラジアルタイヤ

といったキビキビ走りそうな装備です。

 

クラシッククルーザーの様に

ドラムブレーキにスポークの肉厚タイヤといった様な

眠たい仕様ではありません。

 

クルーザーは元々、安楽な乗り味が好まれていたので

性能は二の次と言う時代が長かった訳です。

 

そして車体の取り回しに関しては

車両重量227キロ(※ABS装着車)

と軽いだけでなく

優れた重量配分の為か、大きな車体の割には非常に軽く感じます。

 

またシート高は(705mm)と低いので

誰でも気軽に乗る事が出来ます。

このあたりは非常にユーザーフレンドリーと言えます。

 

また意外と燃費も良く、レギュラー仕様で

リッター20キロ前後は走るので大型バイクとしては高燃費です。

 

カワサキがアーバンクルーザー

(市街地巡航車)という位置づけで

発売したところも良く解ります。

 

ただ人によってはバルカンS

中途半端なバイクに映る事も有ります。

 

それは生粋のロードスポーツでも無く

重厚なアメリカンでもないからです。

 

この辺の評価は人によって分かれると思います。

 

また意外な事にバルカンS

6速トランスミッション仕様です。

 

この6速のおかげで高速走行時は

高燃費静粛性も高くなります。

 

650ccの排気量だと低回転でもそれなりのトルクが有るので

エンジンのポテンシャルを生かす事が出来ます。

 

それでは肝心の走行性能に関して述べたいと思います。

 

 

元々ニンジャ650の並列2気筒エンジンを

中低速向けにリセッティングしたものなので

出足はびっくりする位早いです。

 

この前、小雨が降る中、行儀の悪いセルシオが横に着いたので意地でも

先を行かせてなるものかと、ベタ踏みのセルシオと信号ダッシュで何度もゼロヨンしましたが

1度も負ける事は有りませんでした。

 

皆さんはそんなに熱くならないで

安全運転してください(笑)

 

向こうは4000ccのV8気筒ツインカムエンジンですが

大型バイクのパワーウェイトレシオは並外れていますから。

 

また60~70キロからの加速も良いです。

5速からスロットルを大きく開けると

フォーッン!という音と共に

あっという間に100キロを超えていきます。

 

もちろん高速道路上での話です。

 

6速ではそれほど暴力的な加速はしませんが

それでも十分に伸びていきます。

 

リッター以下のクルーザーでは

中々こういった瞬発力の有る加速は味わえないので

バルカンSの最も優れた部分ではないでしょうか。

 

またタイヤの設定が良いので接地感が良く

ウェット路面でもしっかりとグリップしてくれます。

純正装着タイヤは

(ダンロップ スポーツマックスD220 ST)

ラジアルタイヤです。

 

ホイールはアルミ製キャストホイールです。

 

その他にも多機能メーター

2017年モデルからは

ギアポジションインジケーターが表示される様になりました。

 

プリロード調整可能なリヤサスペンション

ABS設定等最新の装備も積んでいるのも有り難いです。

 

日本の交通事情ではバルカンS位のパワーで

十分な様に思います。

 

そしてハンドリングですが

ロングホイールベースキャスター角が高いので

ヒラリと曲がる事は苦手です。

 

また低重心ロングホイールベースなので

直進安定性はピカイチですが

 

極低速ではロードスポーツ車の様に

車体を傾けようとしても殆どびくともしません。

 

なので極低速で曲がる時はハンドルを曲まげて

車体を曲がる方向に向けてからでないと、倒し込みが出来ません。

 

例えて言うなら三輪車のトライクみたいな感じです。

 

このあたりは直進安定性を取るか旋回性を取るかという

トレードオフの関係なので仕方ありません。

 

なのでバルカンS旋回性は完全にクルーザーです。

 

ただバンク角に関してはアメリカン程浅くありません。

 

峠でも結構寝かせて攻めてもよっぽど深くバンクしない限り

ステップを擦る様な事はまずありません。

これだけ寝かせられるクルーザーは中々ないと思います。

 

ブレーキ性能に関しては

前後ディスクブレーキでABSを選べる設定です。

 

フロントがシングルディスク300ミリ

片持ち式2ポッドです。

このクラスだと走りを売りにしている

ロードスポーツタイプだとダブルディスク主流なので

ここぞという時ではガツンという制動力はありません。

 

必要十分と言った感じです。

 

リアはシングルディスク250ミリ

片持ち式ワンピストンです。

フロントとは逆にリアは大径ディスクを使用しています。

 

解りやすく言うと車種にもよりますが

一般的には1000ccクラスの

サイズのディスクを使用しています。

 

例 ニンジャ650が(220ミリ)

MT-9が   (245ミリ)

 

恐らくこれはフロントがシングルディスクなので

リアのブレーキ性能を高めて

バランスを取っているのだと思います。

 

普段走っている時は車体の挙動変化が少ない

リアブレーキを多用するのですが

実際5,60キロ位からの減速でも

リアブレーキから効かせて十分に減速し始めます。

 

 

そしてサスペンションですが

フロントは正立テレスコピック式インナーチューブ形41ミリ

特に過不足有りません。

 

リアはリンク式モノサスでプリロード調整が可能です。

サスペンションに関する

詳しい記事はこちら

 

プログレッシブ特性が有り

高い路面追随性を持たせているという事です。

 

実際に乗ってみると60キロ以下ではどんな状況でも

しなやかに路面のギャップを吸収してくれるのですが

 

一番柔らかくセッティングしても、70キロを超えたあたりの

速度域では大きな路面のギャップになると

リアサスの作動があまいのか、付き上げられる感じになります。

 

恐らくこのあたりのセッティングは

快適性よりも、高速走行時の車体の安定性を優先させたのだと思います。

 

 

次にエンジン音に関して述べたいと思います。

 

バルカンSのエンジンはロードスポーツ系のエンジンなので

鼓動感が無いように思えますが

 

実際はエンジンを掛けるとオートチョークがかかって

アイドリングが2000回転位に上がって

やや高いパルス感の有る音がします。

 

そしてエンジンが温まってアイドリングが

1200回転位に下がると

ドコッドコッドコッドコッという

鼓動感の有る音になります。

 

 

▼これはエンジンが温まった後の音です。

ただ2000回転以上回すとロードスポーツの様に
フィーンと言う音に変わります。

 

という訳で自分なりにバルカンS

一年乗ってみた率直な感想でした。

 

バイクの見方はこれまで乗ってきたバイクによって

大きく左右されるので

スーパースポーツに乗っている人から見ると

パワーは物足りなく感じるでしょうし

 

250ccクラスに乗っている方なら

そのトルクに驚くと思います。

 

最後にハーレーダビッドソンの

ストリート750、スポーツスター883、ダイナと

比較してみたいと思います。

 

まずストリート750(インジェクションチューン済)

との比較ですがエンジンパワーは

ストリート750の方が若干上と言う感じでした。

 

次にスポーツスター883Lとの比較です。

883は乗ってみると想像以上にマイルドなエンジンでした。

 

中間加速も40キロ位で3速でフルスロットルしても

ワンテンポ遅れてとことこと加速していくのは

中型クラスの様な感じでした。

 

パワーはバルカンSの方がハッキリ上です。

 

またコーナーでもすぐにステップを擦ってしまうので

バンク角は浅めです。

試乗車がローダウンされた883Lなので仕方ないですが。

 

ただ883は速さを求めるバイクでは無いので仕方ありません。

また低速から太いトルクが出るのでタンデムツーリング等は快適なバイクだと思います。

エンジン音もはっきりとした強い鼓動感が

有るのでハーレーのムードを感じて走れるのも

ポイントです。

 

ダイナは(ローライダー)との比較ですが

パワーは流石にダイナの方が上だと思います。

 

また40キロ位からのフルスロットルの加速は

暴力的なパンチが有って

背中を巨人が押してくる様な加速が有ります。

 

また低回転でもグングン前に出るトルクは特別です。

 

ただ車体が300キロ有るので取り回しがきついです。

 

以上バルカンSのインプレッションでした。

 

あくまで個人的な意見なのであしからず。

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