この間グループツーリングの途中で
サイドケースのブラケットのボルトが折れるというトラブルが発生しました。
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ボルトが折れた原因は2つ程有ります。
まず1つはボルトが緩んでいた為に
振動でボルトに金属疲労が蓄積して破損した。
もう1つは構造的な問題で
私が自分でパニアケースのブラケットを取り付ける際に
リアフェンダーカバーを削るのを嫌って
カバーをかわす為にスペーサーを噛ませてしまった為に
ボルトに力のかかる力点が外側にきてしまい
ボルトに対してかかる負荷が増大してしまった事
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ボルトの頭に対して負荷がかかった時に
スペーサーを噛ませている方は
ボルトの頭とボルトを支えている箇所が離れているので
テコの原理が働き
スペーサーを噛ませることでそうでない状況と比べて
力点が外側にずれるのでボルトの支点にかかる負荷が増大します。
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ブラケットの重量が1、1キロ
パニアケースが約500グラム。
そして5キロの荷物を入れるとすると
合計6,6キロ。
高速走行でこれが上下に揺られるので
ボルトにかかる負荷は結構あるという事になります。
まあそれでもボルトが緩んでさえいなければ
破損する事は無かったと思いますが。
またこの他にボルトが短すぎて十分な噛みこみ面積を得られなかった事もボルトが破損した要因です。
今回はボルトに干渉する
リアフェンダーカバーを削ってスペーサーを一切噛ませず
ダイレクトにネジ穴にボルトでブラケットを留める事にします。
そしてボルトもステンレス製に強化します。
折れたボルトの場所はここです。
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ネジ穴の中にボルトの先端が残ってしまい
取り出す事は容易では無いように思えます。
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ところが私にはこんな状況でも
これまでの整備経験(失敗経験)で培った
技がいくつかあるので
早速ネジ穴に残ったボルトの先端の除去方法を解説します。
まずは用意する工具は電動ドリルと
延長コードリールです。
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そして恐らくは殆どの方が使ったことが無いであろう
直径1ミリ程度の極小ドリルの刃を用意します。
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ドリルの刃が薄いのでステンレス製になります。
これをドリルに装着します。
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そして鉄くずが出るのでバイクを養生します。
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それでは早速ネジ穴に残ったボルトの先端の
除去作業を開始します。
ボルトに慎重にドリルで穴を開けます。
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ドリルの刃を真っすぐに当てないと
刃が折れてしまうので注意しましょう。
こんな感じで穴が開きます。
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次にもう一ヶ所穴を開けます。
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はい2ヶ所の穴が開きました。
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そしたら2か所の穴の間を
ドリルで削っていきます。
そうすると
2つの穴が1つの直線の穴になります。
そうしたらマイナスドライバーを突っ込みます。
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グイッと回せば……。
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はい、出てきました。
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後はペンチ等で回せば……。
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どんどん出てきます。
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はい、取れました。
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元のボルトはこんな感じです。
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傷一つつかずに無事ボルトの先端を除去する事が出来ました。
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そして次に折れてしまったボルトを
新たに買って来ます。
今度は強度の高いステンレス製のボルトを買います。
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これです。
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それでは今回はフェンダーカバーをカットします。
フェンダーカバーはこれです。
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ここが干渉箇所です。
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よしカットだ!
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パチンっとかっとして。
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ステーをかわした!
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そして最も外側のフェンダーカバーもカットします。
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それでは組み付けます。
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前回と違い今回は
フェンダーカバーも全て装着した上で
パニアケースのブラケットを装着する事が出来ました。
またフェンダーカバーをカットした事で
スペーサーを介さずにダイレクトでボルトを留める事が出来たので
パニアケースのブラケットの剛性も遥かに上がりました。
剛性が上がる事で振動に対する負荷も減り
ボルトが緩みにくくなり
これでボルトが緩んだり折れたりする事は無いと思われます。
それではパニアケースを組み付けます。
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ついでにもう片方も同様に
フェンダーカバーをカットして
ステンレス製のボルトに変えてダイレクトに留めます。
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ふ~っ……。
やっと終わりました。
まあ今回のトラブルは
元々ブラケットを取り付ける際に
フェンダーカバーをカットすると
パニアケースを外した時に元に戻せなくなってしまう事を
嫌ってスペーサーを噛ませるという
安全マージンを軽視した判断によって起きたトラブルです。
まあ身から出た錆です。
やはりバイクや車などの大きな力のかかるものは
強度面は十分以上の構造設計をしないと
こういう事になるという事が良く解りました。
※パニアケースの取り付けの過去記事も
ダイレクトに取り付ける手順にアップデートしました。
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