カワサキの最小排気量クラスである
125ccを担うバイク
KSR110とZ125PROの進化や
キャラクターの違いについて、細かく見ていきたいと思います。
さて2003年に4サイクルエンジンに生まれ変わって
再登場したKSR110ですが。
2009年で国内モデルの販売は終了しています。
ちなみにフルモデルチェンジしたタイモデルを
2014年まで輸入販売されていました。
現在は事実上の後継機種の
Z125PROが販売されています。
125ccクラスのグロムやZ125PRO等は
基本設計が新しくセル付き&インジェクション化されて
Z125PROもKSR110と似たキャラクターではあるものの
KSR110とは大きく違う部分が有ります。
その辺の違いを見ていきます。
最も大きな違いは排気量です。
排気量
KSR110の111cc
8.4馬力
Z125PROは124cc
9.7馬力
Z125PROはフルサイズのエンジンなので
KSR110に比べるともちろんパワフルです。
燃料供給装置
KSR110 負圧式キャブレター
Z125PRO インジェクション
▼ 詳しいキャブレターとインジェクションの違いはこちらです。
始動方法
KSR110 キック
Z125PRO セル
乗車定員
KSR110 1人乗り
Z125PRO 2人乗り
トランスミッション
そして両車とも4速マニュアルトランスミッションですが
KSR110 自動遠心クラッチ(ノークラッチ)
Z125PRO 湿式クラッチ
点火方式
KSR110 CDI
Z125PRO フルトラ式
タイヤ
フロントタイヤは同じサイズですが
リアタイヤは
KSR110 100/90ー12
Z125PRO 120/70-12
ホイール
KSR110 鉄製ホイール
Z125PRO アルミホイール
ヘッドライト
KSR110 25W/25W
Z125PRO 35W/35W
テールライト
KSR110 白熱球
Z125PRO LED
メーター
KSR110 スピード&オドメーター
Z125PRO スピード、タコ、時計、ツイントリップ、ギア、燃料計などのマルチメーター
シート高
KSR110 750mm
Z125PRO 780mm
KSR110とZ125PROを比べると
12年も経っているので設計の新しさを感じます。
KSR110に比べてZ125PROは
快適装備のセル、多機能メーターに加えて
インジェクションなので冬場でのエンジン始動時の
オートチョークも有り、快適です。
快適性は圧倒的にZ125PROが良いです。
またパワーも当然Z125PROの方が上です。
ヘッドライトはKSR110が
25Wの白熱球仕様なのに対して
Z125PROは35Wのハロゲン仕様なので
Z125PROの方が明るいです。
またKSR110とZ125PROで
カタログでは分からない最も違う点があります。
それは両車の基本設計の違いです。
具体的に言うと、KSR110は元々
オフロード系バイクの設計で作られているというのに対し
Z125PROはオンロード系バイクとして設計されているという事です。
Z125PROの最低地上高は
155ミリ
KSR110の最低地上高は
225ミリ
その差何と、7cm
この7センチの差は悪路や急斜面など上り下りする時には
圧倒的な差が出てきます。
またKSR110は125ccでありながら1人乗りのバイクです。
それに比べてZ125PROは2人乗りのバイクです。
つまりZ125PROは60キロ程度の荷重を受ける事を想定された設計なので、KSR110に比べて
どうしてもリアサスペンションが固く、オフロード走行では後輪が跳ねてしまいがです。
またZ125PROはリアタイヤに120幅のタイヤを装着しています。
一見すると幅広タイヤは限界グリップが高いので、良いように思いますが
実際にはそうでもないのです。
このクラスのバイクに120幅のタイヤはオーバースペックで
バネ下重量が上がり、運動性能が下がります。
また100キロ程度のこのバイクでは
太いタイヤを履くと
地面に対するタイヤの単位面積当たりの接地圧が下がり
水たまりや悪路などで、すぐにタイヤが浮いてしまいます。
これが有名なハイドロプレーニング現象です。
※ハイドロプレーニング現象とは、水たまりにタイヤが設置した時にタイヤが水の上と地面の間に
浮いた状態になって、タイヤが空転してしまう状態。
四輪車ではハイドロプレーニング現象が起きても
さほど深刻になる必要はありませんが
二輪車の場合は状況が大きく違ってきます。
二輪車でハイドロプレーニング現象が発生してしまうと
駆動輪である後輪が空転して
そのまま横転してしまう事が有るからです。
XRやセローが細いタイヤを履いているのはその為です。
実は細いタイヤの方が悪路では
砂利や水たまりでも地面を良く噛むので強い事が多いです。
また車体重量が
KSR110 92キロ
Z125PRO 102キロ
その差は10キロにも及びます。
このクラスで10キロはかなり走行性能に効いてきます。
顕著なのは悪路走行時などです。
この点からも悪路でのフットワークは
KSR110に軍配が上がるでしょう。
と長々と細かい違いを書きましたが
要はKSR110はオフロード車の素性を持っているという事です。
反対に、Z125PROは先程の説明の通り
オンロード車の素性を持っています。
先程のオフロード走行性ではネガティブだった点も
オンロード走行時ではポジティブになる事が多いです。
幅広タイヤはオンロードでは限界グリップが高く
2人乗りでも安定感が有ります。
最低地上高も低い方が低重心になり
取り回しが軽く、コーナーリング等安定性が上がります。
という訳で
軽い車体にノークラッチのイージーライドで
街乗り、林道、近距離ツーリングまで走れる
KSR110
快適装備満載で、冬でもセルで楽々エンジンを始動出来て、街乗りから近距離ツーリングもこなせて、いざという時は2人乗りもできる
Z125PRO
2車の違いを見てきました。
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