これからオイルシールを圧入します。
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フロントフォーク オーバーホール 倒立式 3 組み込み 前編
一般的にはオイルシールプッシャーを使用します。
私はオイルシールプッシャーを自作します。
適当なサイズの塩ビ製の連結パイプを買って
これをカットします。
カットした後は、ヤスリなどでバリを取って綺麗に洗ってから
オイルシールの上に当てて、ハンマーで上から押しこみます。
ハンマーはインナーチューブが傷つかないように、プラスティックハンマーを使用します。
オイルシールはクリップが入る溝よりも下まで、圧入しなくてはいけません。
ほとんどの場合はこれで圧入できますが、KSRのフォークはどういう訳か、中々奥まで入っていきません。
仕方ないので、もう力技で押し込みます。
パイプをさらに追加してボトム部から体重を乗せて圧入します。
これはダストシールが傷んでしまうので、やりたくはなかったのですが、もうこれしか選択肢がありません。
何度かジャンプして押し込むと……
クリップの溝が見えてきました。
これでオイルシールの圧入は完璧です。
そしてクリップを入れます。
クリップを精密ドライバーを使って、オイルシールの上に在る
アウターチューブの溝に入れます。
この時オイルシールがしっかりと底まで入っていれば、溝の高さが十分出てきているので
クリップが"パチン"という音と共に入っていきます。
反対にクリップを強く押し込まないと入って行かな場合は、溝の高さが出ていないので、オイルシールの圧入が不十分という事になります。
オイルシールの圧入が不十分だと、オイル漏れの原因となるので
今後10年という長いスパンで使用するには、完璧な圧入が必要になります。
いよいよトップキャップを入れます。
その前にトップキャップの緩み防止リングを入れます。
トップキャップリングを新しいものに交換します。
トップキャップを入れます。
トップキャップを本締めします。
緩み防止リングを本締めします。
これでフロントフォーク各部品の組み込みが終わりました。
次にフォークオイルを注入します。
KSRの純正フォークオイルは(G10)を使用します。
KSRはスプリングをばらせないので、油面では測れず
規定値のオイル量(195mm)で入れます。
1度では全量入りません。
フォークを上下にストロークさせて、オイルを下まで循環させます。
何度かこれを繰り返して、全量を入れます。
そしてフォークオイルが全量入ったら、トップキャップを締めこみます。
この時はまだ本締めはしませんが、フォークオイルが漏れてこないように、締められるところまで締めます。
これでフロントフォークのオーバーホールが完了しました。
いよいよ車体にフロントフォークを取り付けます。
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