フロントフォーク オーバーホール 倒立式 4 組み込み 後編

これからオイルシールを圧入します。

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フロントフォーク オーバーホール 倒立式 3 組み込み 前編

 

一般的にはオイルシールプッシャーを使用します。

 

 

私はオイルシールプッシャーを自作します。

適当なサイズの塩ビ製の連結パイプを買って

 

これをカットします。

 

カットした後は、ヤスリなどでバリを取って綺麗に洗ってから

オイルシールの上に当てて、ハンマーで上から押しこみます。

 

ハンマーはインナーチューブが傷つかないように、プラスティックハンマーを使用します。

 

オイルシールクリップが入る溝よりも下まで、圧入しなくてはいけません。

 

ほとんどの場合はこれで圧入できますが、KSRのフォークはどういう訳か、中々奥まで入っていきません。

 

仕方ないので、もう力技で押し込みます。

 

パイプをさらに追加してボトム部から体重を乗せて圧入します。

これはダストシールが傷んでしまうので、やりたくはなかったのですが、もうこれしか選択肢がありません。

 

何度かジャンプして押し込むと……

 

クリップの溝が見えてきました。

 

これでオイルシールの圧入は完璧です。

 

 

そしてクリップを入れます。

 

クリップを精密ドライバーを使って、オイルシールの上に在る

アウターチューブの溝に入れます。

 

この時オイルシールがしっかりと底まで入っていれば、溝の高さが十分出てきているので

クリップが"パチン"という音と共に入っていきます。

 

反対にクリップを強く押し込まないと入って行かな場合は、溝の高さが出ていないので、オイルシールの圧入が不十分という事になります。

 

オイルシールの圧入が不十分だと、オイル漏れの原因となるので

今後10年という長いスパンで使用するには、完璧な圧入が必要になります。

 

 

いよいよトップキャップを入れます。

 

その前にトップキャップ緩み防止リングを入れます。

トップキャップリングを新しいものに交換します。

 

 

トップキャップを入れます。

トップキャップ本締めします。

 

緩み防止リング本締めします。

 

これでフロントフォーク各部品の組み込みが終わりました。

 

次にフォークオイルを注入します。

 

KSR純正フォークオイルは(G10)を使用します。

KSRはスプリングをばらせないので、油面では測れず

規定値のオイル量195mm)で入れます。

 

 

1度では全量入りません。

 

フォークを上下にストロークさせて、オイルを下まで循環させます。

 

何度かこれを繰り返して、全量を入れます。

 

そしてフォークオイルが全量入ったら、トップキャップを締めこみます。

この時はまだ本締めはしませんが、フォークオイルが漏れてこないように、締められるところまで締めます。

 

 

これでフロントフォークのオーバーホールが完了しました。

 

 

いよいよ車体にフロントフォークを取り付けます。

 

 

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フロントフォーク オーバーホール 倒立式 5 取付け編