KSR110に16年乗って来た私にとって
今回初めて大型バイクのチェーン調整を試みます。
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ちなみに小さいバイクと大きいバイクでは
整備の難易度が違います。
小さいバイクは使用されているナットも小さく
締め付けトルクも小さいです。
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また車体重量も軽いので、簡単に寝かせたりできて楽です。
反対に中型~大型のバイクは、大きなナットを使っており
締め付けトルクも大きく、大きな工具やインパクトレンチを使用しないと、アクスルナットが緩みません。
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そういった事も有り、小さいバイクは自分で整備する人でも
大きなバイクの整備は、ショップに任せている人も多いと思います。
という訳で今回は中型~大型バイクの
チェーン調整方法を解説します。
まずチェーンの張りを確認します。
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バイクには車種によって
チェーンのたるみ量が指定されています。
殆どの場合スイングアームにステッカーが貼って有り
チェーンのたるみ量が記載されています。
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バルカンSのたるみ量の規定値は
(10~20ミリ)です。
大体どんなバイクも(15ミリ)位が
最も安定的な数値の様に思います。
チェーンのたるみ量を計る時は
ドライブスプロケットとドリブンスプロケット
大体真ん中の位置の、最もたるみが出る位置で
チェーンを上下させて、たるみを計ります。
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以下 解説図
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チェーンを上下させる時は、あまり強く動かさないでください。
強い力でチェーンを動かすと、チェーンは相当動いてしまいます。
軽い力でチェーンを上下させた時の移動量が、適正なたるみ量です。
チェーンは一般的に定位置から上側に大きく動きます。
定位置から上に移動した距離を測って
次に定位置から今度は下に動く距離を測ります。
その合計値が"たるみ量"となります。
一般的にはチェーンを低位置から上に持ち上げて
1センチ位動く距離が適正値な事が多いです。
その場合は下には5ミリ位しか動かないので
上の移動距離1センチ+下の移動距離5ミリ
合計 (15ミリ)となり
張り過ぎず緩すぎず、適度にテンションがかかっており
リヤサスペンションも自由に動けるので
15ミリ位のチェーンの張りが扱い易いです。
と言っても車種によってチェーンを張る適正値は違うので
車種に合った適正値で張り調整をしてください。
オフロード車はサスペンションストロークが大きいので
チェーンのたるみ量が大きくなり
オンロード車はたるみ量が少ないです。
チェーンのたるみ量を計って、既定のたるみ量よりも
大きかった場合はチェーンを張る必要が有ります。
という事でチェーンを張る手順を解説します。
まず初めに
アクスルシャフトを固定している
"アクスルナット"を緩める必要が有ります。
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ゴムキャップを外すと、アクスルナットが現れます。
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まずアクスルナットの割りピンを外します。
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車載工具のペンチで外せます。
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割りピンを外しました。
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車載工具にアクスルナット用のレンチが入っていたので
試しに緩めてみます。
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この2つの工具を繋げて
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アクスルナットを緩めてみます。
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はい、レンチが短すぎてびくともしません。
ちなみに中型以上のバイクのアクスルナットは
非常に強い力で絞められているので、このアクスルナットを緩める事が出来るかどうかが
中型以上のバイクのチェーン調整をする上で
最初の難関になります。
という訳でバルカンSのアクスルナットである
27サイズのナットを緩める為の工具を注文しました。
アクスルナットとアクスルシャフトの
両方に対応するナットサイズのメガネレンチです。
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中型~大型バイクのアクスルナットは
非常に大きなトルクで締められているので
アクスルナットを緩める時に、アクスルシャフト側のナットを固定しないと、供回りしてしまいます。
小型バイクではアクスルナットの締め付けトルクは、そんなに大きくないので、反対側の固定は必要無い事が多いです。
なので中型~大型バイクのアクスルナットを緩める作業では
反対側を固定する工程が有ります。
(※インパクトレンチでは反対側の固定は不要)
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このメガネレンチは結構大きいです。
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そして今回の作業はトルクレンチを使用しないので
アクスルナットとアクスルシャフトの初期位置を
マーキングしておきます。
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次にアクスルシャフト側もマーキングします。
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これで作業終了後、再びアクスルナットを締める時に
マーキングの位置まで締め付ければ、規定トルクという事になります。
ちなみにトルクレンチを使用する場合は
マーキングの必要はありません。
ちなみに私の経験上
14サイズ以上のナットやボルトに関しては、スパナは使わない方が良いです。
スパナは2点しか噛まないので、ナットやボルトなどの相手に対して攻撃性が強く、なめやすいです。
(※なめるとはナットの角を削ってしまう事)
なので14サイズ以上のナットを緩める時は
メガネレンチやラチェットレンチ等の、多面で噛む方式が望ましいです。
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という訳で早速
アクスルナット緩める作業に入って行きます。
まずはアクスルナットを緩める為に
アクスルシャフトが供回りしない様に、メガネレンチを固定します。
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そしてレンチを足で固定します。
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そしてこんな感じで、緩めます。
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非常に大きいトルクで締まっており、足では抑えきれずに供回りしてしまいます。
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