死んだバッテリーを復活させる方法

さて自動車に乗っていると必ずやって来るのが

バッテリー交換"です。

よくカー用品店のサイトなどでは2~3年で交換を推奨していますが

実際はその倍の5~6年位は持ちます。

 

まあ理由は不要な水抜き剤のセールスと一緒で

早めに交換してもらう事が、お店の利益に繋がるからです。

 

これを真に受けて2年毎に交換していたら

6年で3個のバッテリーを使用して廃棄する事になり

 

これは実際のバッテリーの寿命の6年の間に

2回も無駄に交換している事になります。

 

お財布に悪いのも問題ですが、環境にも悪く

適正なサイクルでバッテリーを使い切る事は、お財布にも地球にも優しいです。

 

と言ってもバッテリー寿命は使い方にもよるので

短距離走行のチョイ乗り等で1日に何度もエンジンを始動しては、エンジンを止めるような使い方をすると

6年持たせるのは難しいかも知れません。

 

これは最もバッテリーに負荷がかかるエンジン始動を多用して

尚且つバッテリーを充電する時間が不十分だからです。

 

こういう利用シーンが多い方で、冬場等に整備工場でバッテリーをチェックすると、電圧が低く表示される事が多いです。

 

そんな時に整備士の方から

「電圧が低くなっているので、もうそろそろ交換した方が良いです。

途中でエンジンが掛からなくなるかも知れません」

 

なんて言われたら、怖くなって

「では、お願いします」

 

というパターンです。

 

ちなみに私の経験上バッテリーの電圧を図っても、本当のバッテリーの寿命を知る参考には全くなりません。

 

KSRの7年使用して瀕死のバッテリーも、充電すると

電圧はちゃんと(12.6V)位は出ていしまいます。

 

バッテリーの本当の寿命を知るには

CCA(cold crankingu ampare)= 寒冷時始動電圧

の値を確認する事が重要です。

 

専用の計測ツールでCCAを測る事が出来ます

 

CCAは、実際にセルモーターを回す能力がどれだけあるのか、を測るので

かなりバッテリーの寿命の参考値になります。

 

 

さてそれでは本題に入ります。

 

過放電したバッテリーで、もうセルモーターが回らない時や

セルモーターどころかルームライトする付かない、死んでしまったバッテリーでも

 

殆どの場合、復活させる事が出来ます。

 

 

では実際に検証した記録を見ていきましょう。

 

これは1年3ヶ月間放置してしまって、完全に死んでしまったバッテリーがこちらです。

 

 

バッテリーはパナソニック製のカオスライト44B19L

 

幸いにこのバッテリーはまだ使用してからは

4年4カ月しか経っていません。

 

これを見て4年も使っているから、もう寿命と思った方は

すっかりとカーショップのセールストークのバイアスがかかっています。

 

私から言わせれば4年なんてまだまだです。

 

という訳でこのバッテリーを復活させます。

 

このバッテリーは完全に放電してしまっているので

キーレスも反応しないので、物理キーでドアを開けました。

 

 

ルームランプすら点灯しません。

 

そしてバッテリー用充電器を用意します。

お勧めはセルスター製です。

 

こちらのモデルは安価ですが、バッテリー能力が極めて低い状態の時に

通常よりも高い電圧で充電するブーストモードが有ります。

 

 

この充電器に繋げる電源をバッテリーの近くに引っ張ってきます。

(※バッテリーを車両から取り外して、室内で充電作業してもかまいません)

 

そして充電器のクリップをバッテリー端子に取り付けます。

 

 

 

しかし……

完全に放電しているバッテリーは、エラー表示が出てしまい充電されません。

 

普通ならここで諦めて新しいバッテリーを購入すると思います。

 

しかし、このバッテリーはまだあと2年は余裕で使えます。

 

 

ではここからが裏技です!

 

まずまだ生きているバッテリーを用意します。

 

バイクのバッテリーでも構いません。

ちなみにこちらは左が大型バイクのバッテリーで、右が小型バイクのバッテリーです。

 

バッテリーが生きていればどんなバッテリーでもかまいません。

 

生きているバッテリーを並列で、死んだバッテリーと充電器に接続します。

つまりケーブルが別途必要です。

 

この状態で充電器に繋げると、充電器は生きているバッテリーの電圧を認識して

充電を開始しようとします。

 

こんな感じです。

 

この時に設定をブースターモードにして充電を開始します。

そして充電を開始したら生きているバッテリーを外します。

 

つまり充電器を騙す訳です。

これで何回かこの作業を繰り返すと、死んだバッテリーに徐々に電圧が戻ってきます。

 

 

途中で充電が止まる事が有りますが、再度ケーブルを接続し直して

ブースターモードで充電をします。

 

 

今回は2回目のブースターモードで充電を続ける事5時間40分。

 

 

電圧が復活してきました!

 

 

 

しかしまだまだ電圧が低いです。

 

 

そしてルームランプも点灯しました。

 

この状態になればもうサブのバッテリーを繋げる必要はありません。

 

このまま充電を続けます。

 

 

さらに1時間10分。

 

12.3Vから → 12.5Vまで電圧が上がってきました。

 

 

ここからは普通充電で問題ありません。

 

そしてそのまま充電を続ける事8時間

 

12.4Vから → 14Vまで上がってきました。

 

無事に電圧が戻ってきました。

 

そして翌日の午後になってやっと充電器が充電完了の表示となりました。

 

 

という訳で充電器をバッテリーから外して

純粋なバッテリーの電圧を確認します。

 

13.1V

完璧にバッテリーが復活しました。

 

 

そのかかった時間

 

ブースト充電   5時間40分

 

その後、普通充電 22時間30分

 

合計28時間10分

 

 

という訳でこうして無事に完全放電したバッテリーを復活させる事が出来ました。

 

ちなみにこのバッテリー復活術ですが

全てのバッテリーに対して出来るとは限りません。

 

国産のメジャーメーカーのバッテリーで、使用期間が6年以内位であれば

復活する可能性が高いです。

 

反対に信頼性が低いバッテリーや、使用期間が6年を超えているバッテリーは

復活させる事は難しいと思います。

 

またバッテリーはどうしても徐々に内包できる電流の量が減ってきます。

 

これは内部の電極版、希硫酸を使用する充電、放電サイクルを繰り返す事で

内部の劣化が進行していきます。

 

バッテリーを寿命まで使用するのはリスクが有るように思います。

 

それは出先でバッテリー上がりが起きてしまうからです。

 

それを防ぐには、現実的なバッテリーの限界値付近で交換するのが望ましいです。

それはやはり6年位だと言えます。

 

私でも6年を超えてくると流石に、その年の冬を超えるのは厳しいと感じます。

 

今はジャンプスターターという便利なものが有るので

限界ギリギリまで使っても、最悪はジャンプスターターでエンジンをかける事が出来るので、そこまで大きなリスクも有りません。