バイクに乗る時はブーツを履くのが
一般的に常識となっています。
バイクでは転倒を想定しなくてはならないので
くるぶしを保護する為に
ショートブーツかロングブーツが適している訳です。
またスクーターを除くバイクは
シフトチェンジと後輪ブレーキは足で操作する事も
ポイントとなっています。
その為スクーターなんかはショートパンツに
サンダルなんて言う軽装で乗っている人も結構居ます。
まあ危ないとは思いますが、足で操作する事が無いのと
元々長距離を走る事も無いでしょうから
慣れてしまうと楽なんでしょう。
実際途上国ではみんなサンダルで普通にバイクに乗っています。
皆さんは危ないので真似しない様にお願いします。
もちろん私も基本的にはブーツを履いています。
今履いているのは
アシックス製の登山用ブーツを利用しています。
「ライダーブーツじゃないんかい」と
怒られてしまいそうですが
槍ヶ岳登山に挑戦した時に買ったブーツで
軽くてインナーライナーにゴアテックスを採用している
防水のブーツです。
結構気に入っていてバイクにも使用しているのですが
シフトチェンジペダルを操作するので
左のブーツの生地が破けてしまっています(笑)
やはりライダーブーツでは無いので
アッパー(甲部分)の強度が不足してます(笑)
これではいくらゴアテックスで防水だと言っても
破けた部分から雨水が侵入してくるので
もう防水機能は無くなっています。
また合成皮革なので弱いです。
やはりバイクに乗るのは厚めの本革が適しています。
もっと言えば当て革も必要ですね。
アシックスは幅広の3E仕様が有るので
私のように幅広扁平の足にもぴったり合って気に入っているので
登山をしなくなった今でも履いている次第です。
ところがこのブーツを買ってもう6年位が経ちましたが
先月頃靴底が剥がれてきてしまいました。
靴底が剥がれてしまう理由は
その製造方法に有ります。
今市販されている靴の9割は
セメンテッド方式という製法で作られています。
セメンテッド製法とは
簡単に言うと靴のミドルソール
(中敷きの下で靴底が張り付く部分)と
アウトソール(靴底)を接着剤で取り付けています。
最も安価で製造出来る事から
メーカー、販売店、ユーザー、全てに支持されて
全世界で最も普及されています。
またセメンテッド方式は
靴底を紐で縫い込まない為に
ウェルト等の部品を必要としないので
結果的に軽量で柔らかい靴を作る事に適している面もあります。
また本格的な靴では
グッドイヤーウェルト製法やマッケイ製法が有ります。
グッドイヤーウェルト製法は
アッパー(甲)とインソール、ミドルソールをウェルトという
パーツと一緒に紐で縫って、
そのウェルトとアウトソール(靴底)をさらに
紐で縫います。
最もトラディショナルで強度の高い製法です。
最も寿命が長いのがこのタイプです。
ただ難点は靴自体が硬くて重くなる事です。
長時間歩くと疲れやすい靴になります。
マッケイ製法はアッパーとミドルソール、アウトソールを
全て一緒に紐で縫いこみます。
グッドイヤーウェルト製法に比べるとウェルトが無い分
剛性が下がりますが柔らかく軽くできるので
適度な剛性感と屈伸性を併せ持っているので
グッドイヤーウェルト製法とセメンテッド製法の
中間的な性格を持った靴と言えます。
それではセメンテッド製法の話に戻ります。
セメンテッド方式は簡易的な製造方法の為に
グッドイヤーウェルト製法やマッケイ製法と違い
基本的に靴底の交換を想定して作っていません。
また靴の修理屋さんの中には
セメンテッド方式の靴の靴底を交換している所もありますが
そうした場合、靴自体の価格よりも
交換費用の方が高くついてしまう事が多いです。
またセメンテッド製法の靴は
元々の強度設計が弱いので
たとえ靴底を交換したとしても
アッパーがそれほど持たない事も多いです。
反対にグッドイヤーウェルト製法やマッケイ製法等は
初めから靴底の交換を想定して靴を製造しているので
アッパーやインソールが頑丈な材料が使われていて
靴底を2、3回交換しても履けるだけの
強度設定が有ります。
▼こちらはグッドイヤーウェルト製法
REGAL
下の写真の靴は最も強度が高いと言われている
ノルウェイジャンウェルテッド製法で作られていて
アッパーは極厚レザーが使われていて
インソールも同様に強い素材で出来ています。
▼ノルウェイジャンウェルテッド製法
安藤製靴 OR2
その為に必然的にグッドイヤーウェルト製法や
マッケイ製法は高価になってしまいます。
つまり今の靴は殆ど全部が
靴底が減ったり、剥がれてきたら
捨てて新しい靴を買う
という使い捨ての時代になっているという事が出来ます。
そう聞くと使い捨てよりも高い靴を買って
長く履いた方が経済的な様に思えますが
殆どの場合
やはり使い捨てて買った方が安く上がります。
それはグッドイヤーウェルト製法やマッケイ製法の靴は
靴底の交換費用が高く付くので
セメンテッド製法の靴が
買える位の金額になってしまうからです。
という事で今回は
剥がれてきた靴底を超強力な接着剤で付けて
延命を図ります。
これで一年位は使えるでしょう。
と言う事で
バイクには登山ブーツでは無くて
ライダーブーツが良いという
極めて当たり前な結論が導き出されました。
ちなみに来年はちゃんとしたライダーブーツを購入する予定です。