さてすっかり年の瀬になり
関東の平均最低気温は5度前後となり
バイクにはとても厳しい季節となっています。
私はバルカンSを購入してからは
冬でもバイクに乗るオールシーズンライダーになりました。
冬はバイクに乗らないという人も多いとは思いますが
バイクにとっては冬場乗ってあげる事が
コンディションを保つ為にも大事です。
例えば一冬1度も乗らないと殆どの場合
バッテリーは死んでしまいます。
それ以外にも長時間エンジンをかけないと
ガソリンが劣化してワニス、ガム質に変質して
キャブレター内部やインジェクションノズル等に付着すると
流動性が低下して最悪はエンジンが始動しなくなります。
なのでその辺を考えると
少なくとも2週間に1回は
最低でも20キロ程度走った方が良いです。
その程度の距離でも走っていれば
燃料系統やバッテリーの劣化を防ぐ事が出来ます。
そこで冬はバイクに乗らない方に
春までバイクのコンディションを保つ方法を解説します。
まず冬になってバイクに乗らないと
1番ダメージを受けるのがバッテリーです。
バッテリーはエンジンを掛けなくても自然放電していきます。
なのでまずバッテリーをバイクから外します。
そしてバッテリーチャージャーに繋いで充電をします。
充電は最低でも2カ月に1度すれば
バッテリーが上がる事は有りません。
そして次にガソリン劣化防止策です。
まず冬眠前に燃料を満タンに入れて
タンク内の錆を防ぎます。
次にガソリン劣化防止剤をタンク内に投入します。
この商品は12Lに対して1本を入れます。
KSRのタンク容量は(7.3L)なので
約半分を入れます。
何と中身はブルーハワイの様な鮮やかな青い色でした。
これで約半分です。
タンクに投入します。
投入後少しバイクを揺らして混ぜましょう。
これで燃料タンクのガソリンは
1年間は劣化せずに品質を保ちます。
そして次にキャブレター内のフロート室の
ガソリンを抜きます。
燃料コックを(OFF)の位置にします。
※この方法は危険物取扱者 乙種4類 所持者推奨
火気厳禁
まず初めにキャブレターのドレンホースの下に
ガソリンの受け皿を設置します。
そうしたらキャブレター下に有る
ドレンボルトを緩めます。
キャブレターのドレンボルトを緩めると
フロート室のガソリンがドレンホースから流れてきます。
これでキャブレター内のガソリンは全て空になりました。
▼空になったキャブレターのフロート室
落ちて来たガソリンは
再び燃料タンクに入れます。
そして危険物取扱者 乙種4類の資格が無い方等に
もっと簡単にキャブレター内のガソリンを抜く方法を紹介します。
燃料コックを(OFF)にしたら
今度はエンジンをかけて
エンジンが燃料不足で停止するまで待ちます。
小排気量車の場合はキャブレター内の燃料だけでも
かなりの時間アイドリング出来るので
その場合は近所を少し走ってキャブレター内の燃料を
使い切りましょう。
こうする事によって
キャブレター内に溜まっているガソリンを空に出来るので
キャブレター内部の詰まりを予防できます。
インジェクション車の場合
ガソリン劣化防止剤投入後に少しだけ走れば
インジェクションノズル内に
防腐剤が入ったガソリンが留まります。
これで春までの間
インジェクションノズル内のガソリンが腐って詰まる事を防ぐ事が出来ます。
キャブレター車は想像以上に
ガソリン劣化に関してデリケートな装置なので
基本的にはキャブレター内にガソリンが入った状態で
3カ月を超える事の無い様に管理しましょう。
3カ月程度では普通にエンジンは掛かりますが
スロージェットやメインジェット等の
極めて小さな燃料経路に詰まりが起こり
アイドリング不安定や
低回転域でのスロットルワークの追随性の低下を招いてしまいます。
▼実際にばらしたKSR110のエアスクリュー
ガソリン由来の累積物が固着しています。
▼スロージェットの経路詰まり
下のスロージェットのシリンダーに
僅かに累積物が見えます。
▼スロージェットが入るシリンダー部
劣化したガソリンが黒くなって付着しています。
こうなってしまった場合は
一番良いのはキャブレターをばらして
オーバーホールする事です。
しかし整備経験が浅い人には難しいので
整備工場に依頼する事になりますが
その前に洗浄効果の有るガソリン添加剤を入れて
燃料系統を洗浄してみるのも一つの手です。
燃料系統洗浄剤は
私の経験上、1度の使用でキャブレター内部の
ガム質を除去するのは不可能ですが
添加剤を入れた後のエンジンは
明らかに軽く回る様になり一定の効果は有ると思います。
なので軽度のフューエルラインの詰まりでは
継続使用で改善する可能性もあるかもしれません。
またその他に
フロントフォークのメッキ部分や
車体の塗装されていない部分等に
オイルを塗布して軽く拭き取る事で長時間
金属表面に油膜を形成出来て点錆を予防できます。
▼KSR110の点錆
バイクに長時間乗らない時は
バッテリーとフューエルラインの2点を
主に気を付けましょう。
またそれ以外にも
メッキ部分や未塗装の金属部分に油分を形成して
錆を予防して外見の劣化も防ぎましょう。