次にリヤキャリパーのオーバーホールを行います。
リヤキャリパー
フロント同様にピストンシールの溝を清掃して。
ピストンシールを装着します。
ピストンシールとピストンが当たる部分に
グリスを塗布します。
ピストンを入れます。
ここでキャリパーベースのスライドピンのナットを
締めておく必要が有ります。
固定しないと本締めできないので
一度車体に固定して本締めします。
そして新しいダストブーツをキャリパーに装着します。
ダストブーツ内にグリスを入れます。
ダストブーツにキャリパーベースを取り付けます。
KSRの場合はこの段階で太い方のスライドピンを入れます。
もちろんスライドピンにたっぷりとグリスを付けておきます。
ダストブーツの内側にグリスを入れておきます。
ダストブーツとスライドピンを組み込みます。
これでリアキャリパーのオーバーホールが完了しました。
これから車体に組み付けます。
まずブレーキパッドのキャリパーベースが当たる部分に
パッドグリスを塗布します。
次にブレーキパッドのピストンが当たる部分に
パッドグリスを塗布します。
そしてブレーキパッドとパッドピンが接触する箇所に
シリコングリスを塗布します。
(ここ重要です)
キャリパーにブレーキパッドを装着して
車体に取り付けます。
最後にリアキャリパーを車体に取り付けてから
太い方のスライドピンを本締めします。
キャップをして
ブレーキホースを取り付けて組み込み完了です。
リアキャリパーの取り付けが終わったので
次はフロントキャリパーを取り付けます。
まずブレーキパッドとピストン&キャリパーベースが
当たる部分にパッドグリスを塗布して
車体に取り付けます。
フロント側のキャリパーの取り付けも完了しました。
後はブレーキフルードを入れて
エア抜きをすれば完了です。
エア抜きに必要なワンウェイバルブ&ホースと容器。
ブレーキフルード(DOT4相当)
まずはリアからブレーキフルードを入れます。
そしてエア抜きをして
リアキャリパーのエア抜きが完了です。
次はフロント側のブレーキフルードを入れます。
マスターシリンダータンク内のフルードを
切らさない様に気を付けながらエア抜きします。
エアがどんどん排出されてきます。
この様にエアーがどんどん出てきます。
エアー抜きが完了しました。
前後キャリパーのオーバーホールが完了しました。
ちなみに前後キャリパーオーバーホールをしてみた思った事は
キャリパーは思ったよりも耐久性が有り
私の様にハードブレーキを多用しない乗り方では
5年位ではオーバーホールの必要は全く無いという事です。
新車で購入してから15年目という
かなりのロングスパンでのオーバーホールでさえ
パッドピンを除いてはパーツのへたりは確認できませんでした。
この事から私が思ったのは
キャリパーの整備に関しては
パッドピンのみ1年に1度外してグリスアップさえすれば
ピストンシールやダストブーツの交換はまず必要無いという事です。
もちろん15年~20年位経過すれば
ピストンシール、ダストブーツの交換は検討しなくてはいけません。
ただ5~10年以内の期間では交換するのは
もったいないかなと思います。
もちろん走行距離や乗り方
バイクの保管状況等にも左右されるので
一概には言えないのですが
あくまで一般的な使用環境では
そんなにオーバーホールする必要が無いと実感した次第です。
ただキャリパーのダストブーツが破れたりしている事も有るので
その場合はスライドピンが錆びてしまって
とても危険なので定期的に
キャリパーをばらして点検する必要は有ります。
反対にパッドピンはグリスの封入機構が無いので
相対的に劣化が激しい割に
ブレーキパッドのレールガイドという結構重要な役割をしているので
パッドピンのみ年に一度の清掃とグリスアップが
キャリパー性能を維持する為に重要です。
フロント側ブレーキパッドピン新旧比較
こちらはリアのブレーキパッドピンの新旧比較
ブレーキパッドの稼働域のみ
錆が有りません。
錆が深くコンパウンドで磨いても
ヤスリを使用しても除去不可能でした。
もちろんサンダー等で削っても
今度は金属が痩せてしまうので使い物になりません。
マスターシリンダーやキャリパーは
バイクを止めるという有る意味、最も重要な役割を担っている
パーツでもあるので
自分のバイクのキャリパーやマスターシリンダーが
どれ位使われていて、現在どういう状態なのか
またいつ頃になったらオーバーボールしなければいけないのか
これらを把握しておきましょう。
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