今回はマニュアル車に付いている
クラッチワイヤーのメンテナンスを解説します。
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クラッチワイヤーは
そんなにすぐ切れる部品ではありませんが
消耗する部品ですので定期的に点検と整備が必要になります。
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クラッチワイヤーは
クラッチレバー部分とトランスミッション側取り付け部以外は
ホースの中に内蔵されています。
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クラッチワイヤーのメンテナンスとは
基本的には注油と清掃になります。
ちなみにカワサキのメーカー取扱説明書には
「1カ月に一度注油してください」と
アナウンスされています。
注油する理由はワイヤーとホース間の抵抗を減らして
クラッチ操作を軽くする事と
ワイヤーを防錆してサビ無いようにする為です。
クラッチワイヤーは露出部分を注油しても、オイルはホース内にまでは浸透しないので、ホース内のワイヤー部分のサビを防げません。
それでもクラッチワイヤーはレバー側のタイコ部分が、最も劣化しやすいのでそこを注油するだけでも多少の効果はあります。
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しかしクラッチワイヤーが切れない様にする為には、本格的に整備する必要があります。
という訳で早速クラッチワイヤーの正規の整備手順を見ていきます。
クラッチレバーとトランスミッション側の
両端部分のクラッチワイヤーを取り外して
ワイヤーインジェクターを使用してクラッチワイヤー全体の
注油と同時に清掃を行うのがベストです。
(※トランスミッション側は外さなくても出来ますが、外した方がやり易いです)
今回はワイヤーインジェクターを使用しての
本格的なクラッチワイヤーメンテナンスを解説します。
では早速クラッチワイヤーのメンテナンスを始めます。
まずクラッチワイヤーの固定ナットを緩めます。
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写真の向きのだと左側に移動するように回して緩めます。
この固定ナットが手で回らない場合は
ペンチやウォーターポンププライヤーで緩めて下さい。
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固定ナットが緩んだら、今度はその隣に在るアジャスターナットを動かして
クラッチワイヤーを目一杯緩めます。
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アジャスターナットを固定ナットの方に回して
クラッチワイヤーを緩めたら
固定ナット、アジャスターナットを
下の写真の状態から
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固定ナットを回して、溝を合わます。
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そうしたら後はホース側を引っ張りながら
手前に引けば
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ワイヤーのタイコ部分が外れます。
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このワイヤーのヘッドの事を”タイコ”と言います。
これでクラッチレバー側のワイヤーが外れました。
次にトランスミッション側のワイヤーを外します。
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▼ ここです。
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クラッチレバー側がフリーになっているので
簡単に外す事が出来ます。
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トランスミッション側のタイコ取り付け部を
矢印の方向に動かして
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その状態でワイヤーを奥の方向に引っ張れば
簡単に外れます。
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タイコの取り付け部はこんな感じになっています。
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これでクラッチワイヤーの
レバー側とトランスミッション側の
両側を取り外す事が出来ました。
それではワイヤーの注油作業に入って行きます。
今回使用するワイヤーオイルは
デイトナ社のワイヤー専用オイルにしました。
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ワイヤー注油に使用するオイルは
正直、556の様な粘度の低い液体性の円滑油なら
何でも良いかと思います。
ただあまり安いスプレーオイルは
ノズルが金属製では無いのが難点です。
まあ別に金属製ノズルでなくても良いのですが
取り付け式のノズルだと注油時に
ノズルが外れたりして煩わしいです。
またグリスを使用する方も居るかと思いますが
一長一短が有りこのあたりは好みで良いかと思います。
そしてワイヤーインジェクターも
この為に購入しました。
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セットがお得です。
ワイヤーインジェクターを使用しないと
ワイヤーを覆っているホースの奥まで、効果的にオイルを送る事が出来ないので
完全にクラッチワイヤー全体にオイルを行き渡らせようとすると
必須工具となります。
まあ高いものでは無いので、使う事をお勧めします。
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