さてバイク界隈では排気量マウントというものがあるようで
” 早くて大きいバイクが偉い “ みたいな人達が結構居ます。
原付よりも、中型バイク、中型よりも大型バイクという風に
パワーがあって大きいバイクに憧れるのは、人間の性なのかもしれません。
その辺りは別記事で書いたので、今回は別の視点の話です。
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今回の記事はライダーなら大型バイクに1度は乗ってほしいというものです。
実際バイクに乗っていると250cc、400ccでも、かなりの動力性能が有り
大型バイク何て本当に必要なのか?
と思ってしまう人達も居るでしょう。
例えばカワサキのニンジャ400ですが、48馬力で車重はたったの167キロ。
100キロなんてあっという間に到達しますし、4輪車では相当早いスポーツカーでもなければ、付いて来れません。
実際にはもうこれ位パワーが有れば、ツーリングでも十分な性能です。
しかし400ccと大型バイクで最も違う点と言うのは
【 実はトルク 】なんです。
中型バイクの最大排気量の400ccでも、アクセルを回せば十分に早いのはライダーなら誰もが知る通りです。
しかし大型バイクの魅力は、その圧倒的なトルクにあります。
例えば峠の登坂では400ccと750ccでは、明らかにパワーの差が出ます。
また60キロからの追い越しの際でも、400ccでも十分に追い越しは出来ますが750ccだと大トルクを活かして
ものの数秒で前方者を置き去りに出来ます。
この巡航状態からの中間加速能力は、大型バイクだけの魅力と言えます。
いくら80馬力を発揮する怪物級の4気筒バイク
ZXー4Rでも回転数が下がってしまうと、低回転域のトルクが極端に低いのでパワーバンドまで回らないと、その威力を発揮できません。
これがカタログ値の罠です。
400cc、80馬力と言うと数値上は
2気筒650ccのニンジャ650の68馬力よりも上になる訳ですが
実際にはZXー4Rはトルクが39N・mしかありません。
しかしニンジャ650はトルクが63N・mもあります。
つまりトルク比で見ると
ZXー4R トルクが39N・m
ニンジャ650 トルクが63N・m
トルク比だと60%も違う訳です。
トルクが少ないバイクだと低回転域のパワーが弱すぎて、瞬間的に加速したい場合は速度の状態で適切なギアにしてあげて、エンジン回転数にマッチさせないとパワーは出ません。
つまり実際の走行状況ではギアを1速あるいわ2足位落として、高回転を使わないと80馬力のパワーは出て来ないのです。
トルクが大きいバイクは、そのままのギアでもアクセルを捻って一気に加速出来ます。
これが大型バイクの真の魅力なんです。
いくら4気筒で超高回転で80馬力と言っても、トルク出力は4キロも無いエンジンです。
それを短時間で高回転に持っていくようにチューンナップして、馬力を上げているので
カタログ上は魅力的なんですが、実際の走行状況では低回転域のパワーが無いバイクは本当に乗りづらく、燃費も悪くて
日常使いでは良い所が1つもありません。
メリットと言えばサーキットやスタートダッシュが早い事位です。
この編はこちらでも解説しています。
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しかし大型バイクはアイドリングから高回転まで、太いトルクが発生するので実際にはとても乗りやすいのです。
最も分かりやすいのがタンデム時です。
400ccでも2人乗車時しっかりと加速できますが、明らかにパワーが落ちているのが分かります。
しかし大型バイクなると2人乗車でも、パワーの低下が実感出来ないほどです。
250ccと400ccを比べるともっと分かりやすいです。
250ccで2人乗車では本当にパワーが落ちて、坂道発進などは相当アクセルを開けていないとすぐにエンストしてしまいます。
これが400ccになると、普段よりも多めにアクセルを開けるというイメージで
大型バイクなると普段よりもアクセルを少し開けるか、普段と変わらない位という感じです。
実際私も北海道周遊ツーリングでは、荷物をフル積載で30キロ位の荷物を積んでいた訳ですが
荷物が空の状態と比べてもアクセル開度は変わらないです。
また大型バイクは動力性能だけではなく、直進性能も格段に高いです。
大型クルーザーバイクになると、速度域が高くてもバイクが勝手に真っすぐ走ってくれるイメージです。
車体の大きさと重量が走行安定性にもろに効いてきて、長距離は大型バイクが本当に楽です。
これが250cc位のバイクだとまだピョコピョコしていて、安定感と言う意味では今一1つです。
という訳でライダーなら1度は大型バイクの持つ、大トルクからくる圧倒的なパワーと
大きな車体の安定性を体感してみる事をお勧めします。