さてスズキのジクサーが250ccになって登場します。
こちらはカウルモデル。
これが今回新開発した油冷エンジンの構造図です。
以下スズキの説明分です。
ジクサーは元々150ccでインドをメインターゲットとして
開発、発売されているモデルで
後に日本でも発売されています。
それが今回250ccの中型バイクとして登場します。
ジクサーは単気筒エンジンのフルサイズバイクで
実用領域の低中回転域のトルクが有り
燃費も良く、コストも安い為に
とても扱い易いバイクです。
今回は250cc化という事も有って
空冷では出力が頭打ちになってしまうので
油冷化してエンジン出力を上げたという事です。
何故スズキがわざわざ難しい
‶ 油冷化 ‶ を開発したのかという点は
幾つかの理由があります。
まず水冷化するのが
1番手っ取り早く出力を上げる事が出来ます。
しかし水冷化してしまうと、部品点数が増えてしまい
重量増、コスト増に加えて、冷却水の管理も必要になります。
この3番目の冷却水の管理というのが
インド等の途上国ではネックになります。
途上国の人々は、バイクは燃料が入っていれば、走り続けるという様な感覚の人もまだまだ居て、
メンテナンスにかける時間やコストも少ないです。
当然冷却水が減った状態で走り続ければ
エンジンはオーバーヒートして、最悪はピストンが焼き付いて廃車という事になります。
その点、油冷エンジンは、エンジンオイルを利用して冷却しているので、基本的には空冷のエンジンと同じで
冷却システムのメンテナンスの必要はありません。
そういったユーザーベネフィットの観点を
真摯に考えた結果、油冷エンジンというのが
スズキの出した答えと言えるでしょう。
スズキの油冷エンジンはその歴史も長く
1985年~2006年迄の間21年も作られてきました。
鈴木初の油冷エンジンを搭載した
GSX-R750
2006年の排ガス規制で油冷では
燃焼室の温度変化が激しい為に、最適な空燃比での燃焼制御が難しく
各ラインナップも水冷化したという流れが有ります。
現在では油冷エンジンを搭載したモデルは
殆ど無くなり、ホンダのCB1100が
唯一の油冷エンジン搭載車となります。
これだけの高出力のエンジンで
油冷で熱制御して排ガス規制もクリアしている
ホンダの技術は特筆すべきものが有ります。
カワサキのH2Rの様な最高性能を追求するのとは
別の方向性の技術と言えます。
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