さてバイクを購入する時に
中古、新車どちらが良いのでしょうか?
様々な意見が有ると思いますが
私の主観だと間違いなく新車で買った方が良いです。
まずバイクの場合は四輪車と違い、中古でも安く買える事は殆ど無いです。
例えば四輪車の場合は
新車で200万円の車を8年落ちとかで購入すると
車種や程度にもよりますが、
大体は100万円位以下で買える場合が多いです。
つまりは50%位は安く買う事が出来ます
企業等が使用している法人利用の自動車は、減価償却の期間が6年になります。
その為、法人利用の自動車は購入後6年経過すると、節税効果が無くなるので、買い替えの為に売却されます。
そうして市場に6年落ちの車が、毎年供給される為に、6年落ちの以降の四輪車は値下がりが大きいです。
その為フィットやヴィッツ等の法人利用に向いている、コンパクトカーの値下がりが特に大きい傾向が有ります。
反対にスポーツカーや高級ワンボックス等、法人利用されにくい車種や人気車等は、値下がりしにくい特徴が有ります。
これがバイクの場合はどうでしょうか?
例えば新車で60万円のバイクを、8年落ちで購入する場合
購入金額は大体45~50万円位です。
つまり20%程度しか安く購入できません。
四輪車と比べてバイクの中古車市場が割高な要因は
バイクは四輪車と比べると生産数がケタ違いに少ないからです。
日本は世界第3位の自動車製造大国なので、国内には沢山の四輪車が余っています。
(四輪車約832万台、バイク56万台【国内製造台数 2019年時点】)
価格は需給関係で決まるので、需要に比べて数が少ないバイクはどうしても割高となります。
また中古は2割も安いからお得と考える人が居ますが
実際は全くお得ではありません。
ではそのお得では無い理由を具体的に解説します。
大きく分けて以下の5点です。
● 新車保証が付かない
● 初回車検が3年から2年になる(※400cc以上)
● 消耗部品の劣化が進んでいる
● 見えない部分の劣化が潜んでいる可能性がある
● メーターが戻されている可能性
これらの要素が20%程度の安さでは、とても吸収しきれない問題の方が遥かに多いです。
これが四輪車のように半額程度で購入出来れば、割り切ってリスクをとって購入しても良いでしょう。
しかしバイクの場合は、まず中古で購入するメリットが見出せません。
私はバイクの整備を自分でやりますので、各部がどれくらいで劣化するのか大体わかります。
その観点から言っても、中古バイクは既に年数を経過しているので
タイヤ
ブレーキホース
マスターシリンダーブーツ、ピストンカップ
キャリパーピストンリング
フォークオイルシール、フォークダストシール
これらの部品は走行距離に関わらず、経年劣化する部品です。
つまりは8年落ちのバイクは、購入時点で既に各部品の劣化が進んでいる訳です。
もちろんタイヤ、マスターシリンダーは既に交換している可能性も有ります。
しかしブレーキホースやフォークのオイルシール等は、まず替えません。
何故ならこれらの部品は、寿命が長く
10年~15年は持つからです。
つまりは8年落ちのバイクは、これらの構成部品の寿命が
既に半分以上経過しているのです。
これが意味するのは、購入後数年で
フォークのオーバーホール
前後ブレーキホース交換
マスターシリンダーオーバーホール
キャリパーオーバーホール
これらの整備が必要になってきます。
これらをショップで依頼すると、車種にもよりますが
軽く5万円~8万円はかかります。
タイヤだけでも中型バイクなら5万円~7万円位かかります。
つまりそれだけの整備が短いスパンでやって来るのです。
また中古車は
トランスミッションの消耗
クラッチの滑り
エンジン異音
フレームの歪み
これらは見ただけでは状態の良しあしは分かりません。
そしてそれらの問題よりも1番深刻なのが
【メーター戻し】です。
実を言うと私も初めて購入した四輪車は、メーターが戻してありました。
その経験上言えるのは、昔よりもかなり減りましたがメーター改ざん車は存在し、素人にはメーター戻しに気付くのはほぼ不可能です。
またバイクはその特性上、簡単にメーターを交換できるのでメーターの距離が実走行であると確認するのは、非常に難しいです。
また250cc以下のバイクは車検が無いので、過去の走行距離を証明する公的記録が無いので、メーターを交換してしまえば
誰にも分かりません。
また現在のバイクのエンジンは非常に丈夫で壊れないので、メーターを5万キロ位戻しても
そのまま10万キロ位平気で走ってしまいます。
なので中古バイクを購入する場合は、メーター距離が実走行かどうかが非常に疑わしくリスクが大きいです。
またこれまで中古車業界の常套手段だったのが
2重車検を受けて過去の走行距離を書き換える手口です。
これは2017年以前は車検証に過去に2回分しか、走行距離を記載しないというルールを悪用したものです。
実際このメーター戻しの手口は、中古車業界に非常に蔓延していました。
それが2017年にメーター改ざんを防ぐ為に
車検証に最大距離を記載するように制度変更されました。
現在は2重車検を受けて走行距離を書き換える手口は、出来なくなりました。
なので400cc以上で2017年以降のバイクであれば、ほとんどの場合は実走行距離で有ると言えます。
しかし、それでも抜け穴が有ります。
それは初回車検前にメーターを交換してしまえば
3万キロ走っても0キロに戻して初回車検を受ければ
あら不思議、3万キロ走行車が、未走行車の0キロになる訳です。
もちろん車検証にはそのように記載されて、公式距離となります。
つまりは中古車両である以上は、実走行で有るという証明は無いのです。
また年式の古いバイクは、メーカーが補修部品の生産を終えているので、在庫が無い場合は中古で部品を探さなくてはならず
(※メーカーは生産終了から7年間は補修部品を生産します)
状態の良いものを見つけるのは大変です。
また20年を超えたバイクは、エンジンガスケットやイグニッションコイル、イグナイター、オルタネーター、ECU等の電子部品も駄目になってくる事も有るので
非常にリスクが高いです。
もちろん30年以上前の旧車でも、しっかりり整備して乗る事は出来ますが
実際は故障との戦いで新しいバイクよりも大変です。
しかし限定的な用途では中古で買う事も良い場合も有ります。
それは初めてバイクを買う場合で、新車で買っても倒したり
ぶつけたりしてしまう懸念が有る場合です。
またバイクを買ってみたものの、すぐに違うタイプのバイクに乗り換えたくなる人も居るので、15年位古くて安いバイクを買って
自分の好きなバイクを乗りながら、探すという場合は有りかと思います。
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