メッキシールチェーン注油不要論の結論

さて私の2018年の記事でも触れた

フルメッキのシールチェーンは無給油でも問題ない"という意見ですが

 

 

実はそれなりにバイク業界では賛否両論となっています。

 

あれから私も色々と情報収集して、自分なりに検討を重ねた結果

 

フルメッキのシールチェーンであっても、やはり注油は必要

という結論に至りました。

 

 

このフルメッキシールチェーンの注油不要論は、一定の説得力はあったのですが

私個人的に熟慮を重ねてみると、様々な観点からもシールチェーンに対する

グリスアップの必要性の高さが深まってきました。

 

 

これからその辺の具体的な内容を述べたいと思います。

 

 

まずこれまで提唱されてきたフルメッキのシールチェーンは円滑機構をシールリングで密閉されているから、注油不要という意見ですが

 

 

むしろそこに盲点がありました。

 

何故ならシールチェーンが性能を維持する最大のポイントは、シールリングにあります。

 

シールリング外プレートによって密封されていて

チェーンの最も重要なパーツであるピンとブッシュの円滑は問題ありません。

シールリングの内側にグリスが封入されています。

 

つまり問題はそのシールリングの保護です。

 

シールリングの外側は何の保護もされていません。

もしシールリングが劣化して封入グリスが流出してしまった場合に

あっという間にそのチェーンのコマは劣化してしまいます。

 

シールリングはゴム製なので砂や小石等の何らかの細かい物が、ヒットしたり

何らかの理由でシールリングが駄目になってしまう事も考えられます。

 

そういった時に無給油だと急速にチェーンが駄目になってしまいます。

 

つまりチェーンの給油はシールリングが劣化した時の

保険的な意味でチェーンの寿命を大きく延ばす大事なポイントです。

 

またその他にシールリングの外側にも油膜を張って保護した方が、シールリングの酸化、水分の進入を防ぐ効果が有ります。

 

 

当初から私はフルメッキのシールチェーン無給油論に対しては

概ね賛成の立場でいたものの、注油は全く不要という立場では無く

油膜を維持する為に僅かでも注油は必要という立場でした。

 

 

しかし検討を重ねた結果

フルメッキシールチェーンでも必ず注油は必要

という考えの立場である事を表明します。

 

という訳でこれまで"フルメッキシールチェーンはほぼノーメンテで良い"というタイトルを変更して

シールチェーンのメンテナンス 徹底解説

 

というタイトルに変更して、内容も再構成しました。

 

 

私はライダー1人1人が多くの情報を共有して、質の高いバイクライフを送れる

公益性を重視しています。

 

適正なメンテナンスは手間やコストを抑える事が出来て、結果的により長くバイクライフを楽しむ事に繋がります。

 

その事からも私は、過度に短いサイクルでの部品の交換や

現実的ではない過剰なメンテナンスには、はっきりと不要と言う姿勢を持ちつつ

適切な安全マージンを保つメンテナンス情報を発信していきたいと思います。

 

今回のフルメッキシールチェーン注油不要論は、やはり行き過ぎたメンテナンス論で、私としては数年前の意見を大きく揺り戻した展開になりました。

 

 

ただ今でもシールチェーンの清掃に関しては、不要という立場は変わっていませんし

私自身1度もチェーン清掃はしていません。(現在走行距離29,000キロ)

(※チェーン清掃はチェーンクリーナーでチェーンを清掃する事)

 

ちなみにチェーン注油は2ヶ月に1度位行っています。

 

 

またこのメッキシールチェーン注油不要に関して

逆に言うとメッキのシールチェーンで、チェーンが完全にカバーされていれば

相当な耐久性とメンテナンス頻度の少なさを実現可能で有ると思います。

 

 

という訳で、皆さんのバイクライフに少しでも有益な情報を、提供出来ればと思います。