それではフロントマスターシリンダーを
車体に取り付けます。
▼ 前回の記事はこちら
ブレーキスイッチを固定します。
ステーをハンドルバーに固定します。
ブレーキホースを取り付けて
ミラーを取り付けます。
ミラー位置を調整してフロントマスターシリンダーの
取付完了です。
次にリヤマスターシリンダーを取り付けます。
ステーにマスターシリンダーを取り付けて
フットブレーキペダルを用意して
可動部をグリスアップします。
ここは重要な可動部なので必ずグリスを塗布します。
次に
軸も錆びている事が多いので
しっかりと磨いて錆を除去してから
グリスを塗布します。
ブレーキスイッチ機構を取り付けて
スプリングを取り付けます。
スイッチ機構のワイヤーとスプリングは
同じ穴に通って取り付ける形になります。
次にフットペダルに
マスターシリンダーのプッシュロッドを取り付けます。
軸の部品をグリスアップします。
割りピンを入れます。
ちなみに原則割りピンは一度取り外したら
再使用せずに新品を使用する事になっていますが
実際は劣化していなければ再使用しても問題ありません。
(※錆などで腐食している場合は要交換)
ピンを穴に通して
ペンチで引っ張って
▼ 必ずこの形にします。
次に再度可動部にグリスを塗布して
取付ボルトを組みます。
本締めして
リヤマスターシリンダーの取り付けが
完了しました。
最後にブレーキフルードを入れて
エア抜きをします。
▼エア抜きの詳しい方法はこちら
ブレーキフルードは各車指定のフルードを使用しますが
今ではほとんど全て(DOT4)を使用します。
エア抜きセット
ワンウェイバルブ&ホースと容器です。
ホースをブリーダーバルブに取り付けて
ブレーキフルードを入れます。
リザーバータンクが空にならない様に
注意しながらエア抜きをします。
フロントのエア抜きが完了しました。
次にリヤブレーキのエア抜きをします。
フロント同様にブリーダーバルブに
ホースを取り付けて
リザーバータンクにブレーキフルードを
入れます。
これで前後のエア抜きが完了しました。
▼ エアーが抜けない場合はこちら
そして全ての作業が完了して
今回の前後マスターシリンダーオーバーホール
の作業が完了しました。
今回前後マスターシリンダーのオーバーホールを実施する
理由にフロントブレーキの甘さという
曖昧な症状が有りました。
1度フロントのみマスターシリンダーをばらして
ブレーキフルード交換もしたのですが
ゴムパーツに大きな劣化が見られなかったので
そのまま再使用していました。
ところがマスターシリンダーのピストンカップに関しては
亀裂やひび割れ等の目に見えての劣化が無くとも
ピストンカップの張力が低下するという事が分りました。
そして実際にオーバーホールしてみたところ
ブレーキタッチが明らかに硬くなって
ダイレクト感が新車時の時に戻りました。
マスターシリンダーの整備に関しては
通常フルード漏れ等の不具合が発生してから
オーバーホールする事が多いですが
フルード漏れを起こさずともピストンカップの劣化による
油圧の低下が起こり
結果的にブレーキ性能が大きく低下するという事が分りました。
マスターシリンダーのピストン
▼ピストンカップ
▼スカート部の張力低下
この事から
やはりマスターシリンダーは10年を過ぎたら
走行距離に関わらず
オーバーホールを検討した方が良いと言えます。
これが15年を過ぎた場合は
オーバーホール必須と言えます。
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