さて2年間ほどラインナップから消えていたバルカンSが、排ガス規制に対応して復活しました。
▼ バルカンS復活の記事はこちら
現在はエリミネーターが発売されているので、これでエリミネーターとバルカンSという2つのクルーザータイプにカテゴライズされている
バイクから選ぶ事が出来るようになった訳です。
エリミネーター400
VULCAN S
この2つのバイクの最も違う点が免許区分になります。
エリミネーター【 中型自動二輪免許 】
VULCAN S 【 大型自動二輪 許 】
エリミネーターは400ccに対して
VULCAN Sは650ccなので、大型免許が必要になります。
次に動力性能を比較していきます。
エリミネーターのエンジンは400ccの水冷2気筒DOHCで
なんと48馬力もの高出力エンジンです。
しかも1万回転も回る高回転エンジンを積んでいるので、ダッシュ力は凄いです。
ライトクルーザーにしては随分とパワフルなエンジンですが、これには理由があります。
実はエリミネーターのエンジンは、ニンジャ400のエンジンを流用しているので出力特性が高回転域に振ってあり、レーシーなパワー特性なのです。
ニンジャ400
バルカンSのエンジンは650ccの水冷2気筒のDOHCです。
61馬力でこのクラスにしては平均的なパワーです。
バルカンSもエリミネーターと同様に、同クラスのニンジャ650の68馬力のエンジンを流用しています。
しかし最高出力を1割程度落として、その分低回転域からトルクが出やすいように、フライホイール等を変更してリセッティングしてあります。
この辺りはVULCAN Sの方が35キロも重いので、うなづけます。
エリミネーターとVULCAN Sを動力性能で比較すると
エリミネーター 【48馬力】
VULCAN S 【61馬力】
馬力の差は13馬力
重量
エリミネーター【177キロ】
VULCAN S 【229キロ】
重量差は52キロ
ちなみに52キロも違うと取り回しでは全く別のバイクという位、重量感が違います。
つまりエリミネーターはバルカンSと比較すると、かなり軽いという事が言えます。
パワーウェイトレシオ
エリミネーター 【3.68】
VULCAN S 【3.75】
ほぼ互角です。
実際のパワーウェイトレシオ (ライダー重量追加時65キロ)
エリミネーター 5.04
VULCAN S 4.81
これもほぼ互角ですが実際の走行状況になると、やはりバルカンSの方が僅かに早い事になります。
しかしカタログ上では分かりにくい盲点があります。
それは最大トルク値です。
エリミネーター37N・mに対して
バルカンSは62N・mです。
しかもエリミネーターは8000回転で到達するのに対して
バルカンSは6600回転で到達します。
この意味は実際の走行状況ではバルカンSの方がかなりトルクフルで、扱いやすいと言えます。
スタートダッシュ等の加速性能は大差ないでしょう、しかし中間加速や高速道路などではバルカンSの太いトルクが効いてくるので、かなり差が出るはずです。
ちなみにこの2車種を見て大きな違いは、馬力差は小さいのに対してトルクの差は大きいです。
トルクが大きいと何が違うのかと言うと
タンデム時
荷物の積載時
登坂性能
巡航時からの加速性能
これらが変わってきます。
つまりざっくり言うとバルカンSの方が、荷物を沢山積んだり低回転で高速巡行が出来るので
長距離ツーリング向きだという事です。
反対にエリミネーターの強みは驚くほど軽い車体に、1万回転まで回る高回転エンジンを積んでいるので
ダッシュ力は完全にロードスポーツと同じで、悪路でも軽い車体は制御しやすくユーザーフレンドリーと言えます。
またこの2車種で大きな違いは取り回しです。
バルカンSの229キロに対して、エリミネーターは177キロです。
177キロと言うと250ccクラスの重量と大差ありません。
ニンジャ250(166キロ)
これだけ軽いと小柄な人や女性ライダーでも、気軽に乗る事が出来るので
この辺りはカタログスペック以上の良さがあると言えます。
ちなみに私がKSRを20年以上も愛用している最大の理由は軽さです。
その位バイクにとって軽さと言うのは、重要なメリットになります。
最後に価格面です。
エリミネーターの新車価格は814000円
SEモデル 913000円(豪華版)
VULCAN S 新車価格1045000円
比較すると23万円位の差になります。
ただこの2車種を比較すると、実際には大きく異なるのは
装備面です。
エリミネーターは最新のLEDヘッドライトに加えて、アシストスリッパークラッチ、ETC2.0まで標準装備となっています。
▼ 詳しくは別記事参照
しかしVULCAN Sは予算的な都合からか、いまだにハロゲンタイプのヘッドライト、アシストスリッパークラッチなし、ETCなしという、寂しい限りです。
個人的にはVULCAN Sの復活の際はこれらの部分は、アップデートされると思っていたのですが
物価高で13万円の値上げした上に、装備まで最新式にアップデートしてしまうと
価格面にも跳ね返ってしまうので、今回はアップデートを持ち越したのでしょう。
つまり装備面で比較してしまうと圧倒的にエリミネーターが優位と言えます。
この辺りは発売年が新しいエリミネーターの良さと言えます。
実はエリミネーターとバルカンSはキャラクターが大きく違う?
エリミネーターはミッドコントロール
バルカンSはフォワードコントロール
つまりエリミネーターは足を膝の下位の位置に置くのに対して
バルカンSは前方に足を投げ出して置く形になります。
この違いはフォワードコントロールは、長距離向きのバイクに設定される事が多いです。
何故なら停車する事が少なく、足を前に置いてゆったりとした姿勢で運転できるからです。
反対にロードスポーツ等のバイクはミッドコントロールが多く、停車時にすぐに足が地面に着地出来ます。
この事からもバルカンSは、ロングツーリング向けの味付けが色濃いバイクと言えます。
最後に
エリミネーターは軽くてダッシュ力がある、ライトクルーザーと言うバイクに対して
バルカンSはロングツーリング向けのクルーザーバイクです。
どちらのバイクが自分にあっているのかは、ユーザーの体格や利用用途によって変わってきます。
北海道などへ行って長距離ツーリングするなら、絶対にバルカンSが良いですし
街乗り~通勤、たま~にツーリングもするという使い方なら、エリミネーターの方が乗りやすくて良いです。
いずれにしても実車を見て自分の好みや使い方、乗車姿勢などを確認してみるのをお勧めします。
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