本当に必要? 過剰整備の闇

免許を取ってバイクや車を購入して、避けては通れない問題が

メンテナンス"です。

バイクがどれくらいの距離を走行したら、どんな部品が劣化してくるのか?

 

またどれくらいの期間が経ったらどんな部品が劣化してくるのか?

 

これらはバイク初心者の人には中々解りづらいです。

 

そしてインターネット等でバイクのメンテナンスの情報を検索すると

何故か非常に早い交換サイクルで、交換するように書かれている事が多いです。

 

恐らくはアフィリエイト等や、ビジネス上の観点でどんどん油脂類や部品を買ってほしいという面もあるように思います。

またその他にも、メーカーの出している推奨交換サイクルより長い交換サイクルの情報を出すという事は、安全上の問題になった時に批判を受けやすいという事もあるのかも知れません。

つまりメーカー側が広すぎる安全マージンをとった交換サイクルを推奨していても、そこから逸脱した情報は乗せにくい、という事です。

 

例えば極端に早い交換サイクルを謳って問題になる事は無くても、反対に長すぎる交換サイクルを謳ってしまうと、その交換サイクルで故障が発生した時に問題になるからです。

 

つまり逆に言うと、メーカー側が出している交換サイクルは最短の数字を出している訳です。

 

 

例えばスパークプラグがその代表格です。

スパークプラグプラグメーカーの推奨交換サイクル

【3000キロ~5000キロ】となっています。

 

これはハッキリって早過ぎです。

 

車種にもよりますが、単機筒のバイクでも普通に2万キロ位余裕で使えます

SRみたいなロングストロークエンジンだと、ほぼ低回転域しか使わないので

4万キロでも問題なく使えます

 

ただ4気筒の高回転エンジンは流石に1万キロ位でへたってきます。

 

つまりネットには実際とはかけ離れた情報が、蔓延しているのが実情です。

 

筆者も実際にスパークプラグを交換したのは

22800キロ時です。

 

それでもまだまだ全然使えました。

 

ただスパークプラグは部品が機能しなくなるまでは、かなり長く使えます。

恐らく8万キロ位は使えると思います。

 

ただそうするとイグニッションコイルに負荷がかかったり、燃焼不良で燃費、パワー低下がじわじわと出てくるので

限界まで使うのは良くないです。

 

この辺りも別記事に書きましたので参考にしてください。

スパークプラグの寿命ついて考察

スパークプラグの経済寿命とは

 

 

あとは冷却水です。

この事はネットなんかでも誰も言っていない事ですが

冷却水は実は交換しなくても、普段使いでは殆ど問題ありません。

 

事実、私の車は17年間無交換でした。

 

これは極端すぎる例ですが、冷却水は比較的交換しなくてもあまり問題が起きない部類です。

 

一般の方はそんなに長い間冷却水を交換しないと、ウォーターラインが錆びたりオーバーヒートしたりすると、考えると思います。

 

しかし実際には意外と何ともありません。

 

高速に乗ったりもしましたが、特に何の問題もありませんでした。

(※レースに出る場合はオーバーヒートします)

 

ただもちろん冷却性能は年々低下するので、ハードに走る人はちゃんと交換した方が良いです。

あとターボ車は一般の方が想像しているよりも、過酷な環境でエンジンオイルが酷使されているので、その油温を制御している冷却水に大きな負荷がかかります。

なのでターボ車に限っては定期的に冷却水を交換した方が良いです。

 

 

そしてドライブチェーン

 

ドライブチェーンは現在250cc以上のバイクは、全ての車種にシールリングを内蔵したシールチェーンが採用されています。

 

このシールチェーン耐用距離4~5万キロ位まで使えます。

 

猛者になると8万キロ使う人も実際に居ます。

 

つまり4万キロでさえ、まだ安全マージンの範囲内な訳です。

 

しかし整備工場に持って行くと2~3万キロで交換を進められる事が多いです。

 

だいたい整備工場の人は

「チェーンのコマが偏摩耗していて、チェーンの個所によってたるみ量が変わっているので、交換した方が良い」

と言ってくる事が多いです。

 

これはもちろん向こうも商売ですから、目一杯使ってもらわれては困る訳です。

また先述したように万が一ドライブチェーン関係の故障で、事故が起きては整備工場の責任問題になる事も一因にあります。

 

しかしドライブチェーンは2~3万キロも走ればふつうに偏摩耗します

 

逆に全てのチェーンの部分が均一に減るなんて事は無いです。

 

つまり、そんなものなんです。

 

 

偏摩耗しているからと言って、すぐに走行上大きな問題にはなりません。

 

私は別に気にせず走ります。

 

 

考えて見てみください。

実際には4万キロ使えるのに、その半分で交換するという事は8万キロ走ったら4回もドライブチェーンを替えるという事になります。

これはコストはもちろんの事、環境負荷も含めて大きな損失になります。

 

そうです。過剰整備は無駄な出費だけでなく、環境負荷も大きいです。

 

ただもちろんドライブチェーンを4万キロまで維持するには、適正なメンテナンスをしている状態での事です。

これは普段から定期的にチェーンに注油して、チェーンを錆びさせない事。

 

それに定期的にチェーンの張り調整を行って、チェーンに大きな負荷をかけない事。

この2点は必要です。

 

と言っても普通にメンテナンスしていれば、問題はありません。

 

 

という訳で、どの部品をどれ位の使用で交換するのか、しっかりと見極める必要が有ります。

率直に言えば消耗品はその部品の限界付近まで使う事が最も効率が良いです。

 

ただ限界を超えてしまうと、出先で故障したりするリスクが出てきます。

 

つまりその部品の限界が100だとすると、最低でも80か

85位まで使えれば十分だと思います。

 

しかしそれが50とか、場合によっては40位で交換されてしまう事もあります。

つまり製品寿命の半分以下で捨ててしまう訳です。

 

これが本当に適正な整備と言えるのでしょうか?

 

 

私はこれらの過剰整備の背景には、情報弱者を食い物にする業者の存在があるように思います。

 

Xなんかでも、過剰な整備をしてそれを称賛する様なツイートが散見されます。

 

新車から3年~5年以内でキャリパーをばらして、ピストンを磨く必要なんてハッキリ言って無いです。

 

キャリパー、マスターシリンダーは雨ざらしでなければ

余裕で10年位は、ばらさなくても問題ないです。

 

これらのパーツはオイルシールやダストブーツで、内部のパーツを保護しているのでどうしても10年以上経過すると、ゴムが劣化してくるので

走行距離に関わらず交換する必要が出てきます。

 

 

という訳で、実は今まで妄信してきた整備工場が言っていた交換頻度は、私の様に自分で整備している人間から言わせると、おかしな事も多いという事です。

 

プロ = 正しい

という構成は基本ですがプロも様々であり、まずバイクの使用者自身が正しい知識を持つ事が、重要な事だと思います。