バルカンSのスパークプラグを交換します。
バルカンSのスパークプラグは
CR9EIA-9 2本
カワサキの指定する交換距離は12000キロとなっています。
実際は2~3万キロ位使っても、大きな問題はありません。
今回は22800キロで交換します。
バルカンSはスパークプラグを交換するには、タンクを外す必要が有るので結構面倒くさいです。
順番は
1 タンクを外す
2 エアークリーナーボックスを外す
3 スパークプラグにアクセス
という感じになります。
この記事では、タンク、エアークリーナーカバーを外した状態から解説します。
▼ 前回の記事はこちら
それではエアークリーナーボックスを外します。
エアークリーナーボックスは、インテークマニホールドとバンドで固定されて連結されています。
そのバンドを固定している六角ボルトを緩めます。
この六角ボルト1本だけ緩めれば、2本のインテークマニホールドとの連結が同時に緩みます。
固定ボルトを緩めたら、次にホースを外します。
このホースは何故か固定されておらず、引っ張れば抜けます。
狭いところなので、外しにくいようならエアークリーナーボックスを外せば同時に外れます。
エアークリーナーボックスを外します。
外れました。
これでやっとスパークプラグにアクセスする事が出来ます。
この2本のパーツがイグニッションコイルです。
まずはイグニッションコイルに繋がっているコネクターを外します。
コネクターはツメを押しながら引っ張れば抜けます。
コネクターが外れたらイグニッションコイルを引き抜きます。
少し硬いので回しながら引っ張れば抜けます。
イグニッションコイルが抜けました。
ちなみにイグニッションコイルも、一応は消耗品です。
といっても5万キロ以上は軽く持ちます。
10万キロ位走ったら交換した方がいいです。
これでスパークプラグを外します。
バルカンSのER650AE型エンジンではプラグホールが深いので、延長ソケットが必須です。
今回使用したのは15mmのエクステンションバーです。
このタイプの連結部に三角形で、稼働域が大きいタイプのものが使いやすいです。
それに16mmのプラグソケットが必要です。
スパークプラグを外していきます。
プラグソケットにはマグネットが内蔵されているので、釣り上げる事が出来ます。
スパークプラグが外れました。
これが22800キロ走行したスパークプラグです。
ぱっと見はほとんど劣化していません。
さすが世界のNGKのイリジウムプラグです。
しかしよ~く見ると……
外側電極部のスパーク接点の角が減って、丸くなっています。
一方こちらは新品のスパークプラグ。
外側電極が角張っています。
この外側電極と内側電極の隙間
(プラグギャップ)といいます。
外側電極が減る事によって、プラグギャップが大きくなると
【奥飛火 現象】(おくひか)が発生します。
これは本来の天下ポイントから、大きくずれた位置でスパークが発生する事によって、燃焼タイミングが遅れたり、火花そのものが弱くなったりして、エンジン性能が低下する現象です。
▼ 詳しいスパークプラグの記事はこちら
スパークプラグの新旧比較です。
左側 新品 、 右側 使用後
拡大比較
さらに拡大
わかりますか?
プラグギャップが広がっています。
これがスパークプラグの劣化です。
現在のスパークプラグはとても高性能なうえ、インジェクションによる効率の高い燃料噴射によって、スパークプラグが完全に点火しなくなるまで使おうとすれば、とても長い間使用できます。
バルカンSでは5万キロ以上は使えます。
おそらく限界は7~8万キロではないかと思います。
ただスロットルレスポンスの低下、高回転時の失火、燃費の低下が起きるので費用対効果を考えた場合は、2~3万キロ程度で交換した方が良いです。
という訳で新しいスパークプラグを装着します。
既定の回転角度か、規定トルクのどちらかで締めます。
ちなみにバルカンSのスパークプラグは
CR9EIA-9▼
ネジ径はφ10mmなので規定締め付けトルクは
10~12N・m(1.0~1.2kgm)となっています。
もう1本も取り付けて
2本のスパークプラグの取り付けが完了しました。
イグニッションコイル、コネクターを取り付けます。
後は取り外した逆順で、エアークリーナーボックスをインテークマニホールドに取り付けます。
エアークリーナーを取り付けます。
エアークリーナーカバーを取り付けます。
ECU、集合配線を固定します。
タンクを取り付けます。
タンクに元通りに、各ホース類を取り付けます。
※インジェクションコネクターとタンクノズルは、最深部まで確実に取り付けてください。
これにてスパークプラグの交換が完了しました。
バルカンSのスパークプラグ、エアークリーナーの交換はタンク脱着が必要になるので、同時交換が楽です。
2万キロ位で同時交換で良いと思います。
ちなみに引っ張れば、3万キロ位で、同時交換でも大きな問題はありません。
ただその場合はエアークリーナーよりも、スパークプラグの方がヘタリが早いので、アクセルレスポンスが鈍くなってきます。
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