エンジニアブーツの防水性について

今回はエンジニアブーツ防水性について、解説します。

 

私が愛用しているエンジニアブーツ。

日本一周や北海道ツーリングで使っているので、かなり貫禄が出てきました。

 

左側のつま先部分は、バイクに使うとどうしても傷が付いてしまいます。

まあエンジニアブーツはそんな事を気にせず、履き倒す事が美学だと思っています。

 

詳しいエンジニアブーツの解説はこちら

 

レッドウィングでバイクユースと言うと、エンジニアブーツが定番です。

 

 

その理由はいくつかあります。

 

まず靴の作りがとにかく頑丈な事です。

つま先には鉄製カップが入っています(※一部モデルによっては無い物もあります)

これが万一の事故の際に足を守ってくれます。

 

そう聞くと、そんな事は滅多に無いと思いがちですが、実は私も1度だけエンジニアブーツに助けられた事が有ります。

秋の夜にバイクで走っていた時、ナビでは右折表示が出ていました。しかし交差点に入るとそこは5差路で、私はどっちの道に行くのか一瞬迷ってしまい、慌ててブレーキを掛けて本来曲がる道に入ろうとすると

なんと路面が湿っていて、車体が右側に倒れ込みました。

一瞬私は自分が転倒する事を覚悟しました。

そして右足の土踏まずの横が、車体と路面に挟み込まれて痛みを感じた瞬間

 

不思議な事に、バイクは180度ターンして元来た道に向かい走っていました。

 

これはいくつかの偶然が重なりました。

まずABSが作動してホイールスピンを回避した事。

その時私はクラッチを切っていなかったので、駆動力が途切れなかった事。

そして最後にエンジニアブーツが、車体を支える形になりその間にタイヤのグリップが回復して、車体は起き上がって何事も無かった様に走っていました。

 

しかし後で確認したら、車体右下のボルトの頭が半分位削れて無くなっていました。

 

 

あの時もしスニーカーやサンダルを履いていたら、車体はさらに深く倒れ込むのでそのまま転倒していたかも知れません。

 

という様に、エンジニアブーツには極めて高い安全性が有ります。

 

 

また、エンジニアブーツのもう一つの特徴が、高い防水性能です。

 

これはエンジニアブーツが履き口からアウトソールまで、隙間無く革で覆われている設計の為です。

 

さてここからが本題です。

 

では実際にどれ位の防水性能が有るのか?

 

日本一周で3カ月間、雨の中もかまわず履き倒した私の経験から言います。

 

雨天の状況で2時間走っていると、つま先から少しずつ濡れてきます。

 

意外に思われるかも知れませんが、雨に対して無敵でもありません。

 

実は防水性能だけで言うと、安物のゴム製長靴の方が上です。

 

 

それは何故かと言うと、エンジニアブーツの素材に理由が有ります。

エンジニアブーツは甲皮が本革の素材で出来ていて、インソールも本革、その下にコルクが詰まっていて、そのさらに下に有るミッドソールも革、アウトソールはゴムです。

 

そしてエンジニアブーツは、グッドイヤーウェルテッド製法で造られています。

 

ウェルトとミッドソール、アウトソールを糸で縫合しています。

 

ちなみに一般的なグッドイヤーウェルテッドは、ウェルトとミッドソールを糸で縫合して、そしてそのミッドソールに接着剤でアウトソールを、貼りつける形が多いです。

 

エンジニアブーツの場合は、アウトソールまで一緒に縫合しているので、アウトソールが剥がれ難く、剛性、強度も高いです。

 

という訳で丈夫な天然素材で造られたエンジニアブーツは、2時間以上雨にさらされると、革が水分を吸収して靴の内側にまで水分が浸透してしまいます。

 

ただし経験上内側がびしょ濡れになる事は、1度も無かったです。

 

1度、5時間程雨の中を走った時はつま先、甲部分が濡れていました。

かかと部分が濡れた事は1度も無かったです。

 

やはり走行中は、ブーツのつま先部分に受ける水圧が高くなるので、そこから浸水しやすいのでしょう。

 

ちなみに前述した様に、ゴム製長靴が雨天時は最強です。

全く濡れません。

 

しかしゴム製長靴は足から出る汗を外に逃す事が出来ず、すごい蒸れます。

 

エンジニアブーツの場合は革が汗を良く吸収して、革が外側に水分を逃す設計の為、蒸れにくいです。

 

100年以上ブーツを作ってきただけあって、レッドウィングの靴は良くてきています。