レッドウィング製のラインナップの中でも
バイク用途で代表的なモデルが
"エンジニアブーツ"です。
今回はそのエンジニアブーツについて
深く掘り下げてみたいと思います。
ちなみにエンジニアブーツは
アヴィレックスやウェスコ等、様々なメーカーから出ています。
その中でもレッドウィングのエンジニアブーツは
知名度、価格、品質等のバランスが最も良いと言われています。
エンジニアの歴史は古く80年以上も前の
1936年に登場して以来
レイルロードエンジニア(鉄道機関士)が愛用していました。
当時は鉄道のパワーソースにはボイラーシステム(蒸気機関)
を使っていたので、炉内に石炭をくべる作業が有りました。
その為足元に石炭が落ちる事が有り、つま先に鉄板が入った
堅強な靴が求められていました。
エンジニアブーツが登場したバックボーンには、そういったエンジニアたちの切実な要望と歴史の存在が
現在のエンジニアブーツの品質を物語っていると言えます。
なのでエンジニアのアドバンテージは何と言っても
その"堅強性"です。
数あるレッドウィングのラインナップの中でも
革、ミッドソール、アウトソール等の
全てのパーツの強度が高いです。
そしてつま先にはスチールトゥ(鉄板)が入っています。
特にアウトソールは重厚な作りになっています。
エンジニアブーツはグッドイヤーウェルテッド製法で作られています。
(甲革と中底を縫い付け、中底とアウトソールを縫い付ける)
グッドイヤーウェルテッド方式の最大の長所は
容易にオールソール交換ができる点です。
またグッドイヤーウェルテッド製法でも、
オックスフォードの様に、ウェルトとミッドソールのみを縫合して
アウトソールは接着しているブーツも有ります。
▼オックスフォード
甲革とウェルト、ミッドソールが縫い込まれていますが、アウトソールは縫合されておらず
接着剤で取り付けてあります。
エンジニアブーツはウェルト、ミッドソール、アウトソールを
全て縫合してあります。
なのでセメンテッド方式の様に
アウトソールが剥がれてくる心配もありません。
セメンテッド方式は経年劣化で、接着性が悪くなり
大体3年~5年位経つと、アウトソールが剥がれてくる事が多いです。
▼実際に剥がれたセメンテッド方式の靴
かかと部分はダブルソールとなっており
釘でしっかりと打ち付けられています。
これだけ強度にウェイトを置いたブーツも
中々無いでしょう。
エンジニアブーツは、履きやすさや歩きやすさ等の
"快適性を度外視"した、極めてストイックなブーツです。
なので正直言って履き手を選んでしまい、一般のユーザーが求める
快適性の対極に在るブーツなので
ユーザーは限られてしまいます。
また価格も47800円 税込みという
気合の入った価格です。
そしてエンジニアブーツは、かなりクセの強いブーツであるという事を、覚悟しなければいけません。
またエンジニアブーツは靴と足を、紐で締める構造ではない為に、靴と足をしっかりと固定する機構を持たないので、ただ靴に足を入れるだけです。
つまりは長靴と全く同じです。
ただ一応ベルトが2つ付いていますが
上のベルトはズボンの裾を入れた時に、固定する為の物で
下のベルトは足首の遊びを調節するものですが
調節範囲は小さいので最も締めても、まだ足首は緩い状態です。
これはエンジニアブーツ特有らしく
一般的な紐で締めるブーツと違い
"少し緩い状態で履く"のが前提のブーツです。
なので歩きにくく普段履きや、長時間の歩行には向きません。
例えばバイクで山まで行って、そのままハイキングなんていうのは、現実的には厳しいです。
2、30分程度の歩行なら問題有りません。
またつま先にスチールカップが入っているので
つま先がシフトペダルに当たっている感覚が無く
慣れるのには結構時間がかかります。
ただブーツ全体が革で覆われているので
防水性は極めて高いです。
雨天時では最強ではないでしょうか。
という訳でレッドウィングのエンジニアブーツについて
解説しました。
中々癖の強いブーツですが
エンジニアブーツの真の価値は、唯一無二の
圧倒的な存在感と言えるでしょう。
エンジニアブーツはアメカジ好きの人の多くが
1度は手にしてみたいと思えるブーツです。
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