アクスルナットが緩んだので
早速チェーンの調整作業に入って行きます。
▼前回の記事はこちら
まずチェーンアジャスターレベルを記録しておきます。
![]()
見方はアクスルナットのワッシャーの後ろにある
アクスルシャフトの中心点のラインと、スイングアームの目盛りの位置です。
![]()
(3.2)位です。
次にアクスルシャフト側
![]()
こちらも(3.2)
ちなみに当然このアジャスターの位置が
左右同じにならなくてはなりません。
この両方の位置がずれているという事は、ホイールのアライメントが狂ってしまい、ホイールが左右どちらかに曲がった状態で走行する事になり
直進安定性の低下
コーナーリング時に左右で旋回性に差が出る
タイヤの偏摩耗
等が発生します。
ただ実際はそこまで神経質にならなくても
大きな問題にはなりません。
ではチェーン側のアクスルナット側から
チェーン調整します。
![]()
このナットを緩めると
アジャスターナットを回す事が出来ます。
![]()
スパナをナットに噛ませて
![]()
下に降ろせば緩みます。
次は反対側のアクスルシャフト側の
アジャスターロックナットを緩めます。
![]()
こっちは反対なのでスパナをナットに噛ませたら
![]()
上に持ち上げると緩みます。
これで両側のアジャスターロックナットが緩みました。
次にチェーン側のアジャスターを調整します。
ロックナットが緩んだら、アジャスターナットを動かしてチェーンの張りを調整します。
![]()
このアジャスターナットを回して
チェーンの張り調整をします。
反時計回り=チェーンを張る
時計周り =チェーンを緩める
(両側共通)
![]()
今回はチェーンを張るので反時計回りに回します。
スパナをナットに噛ませたら上から下に降ろせば、後輪の軸が後ろに下がってチェーンが張っていきます。
チェーンを張るときは一気に張るのではなく
少しずつチェーンを張って
![]()
チェーンの張りを確認しながら
張り過ぎない様に調整しましょう。
次に反対側のアクスルナット側も
同じ量だけ動かします。
![]()
スパナをナットに噛ませて
![]()
下から上に回せば
後輪の軸が後ろに下がって、チェーンが張る方向になります。
チェーンを張る時はアジャスターナットを回すだけで
チェーンは張っていきますが
逆にチェーンの張りを緩める時はナットを回しても、後輪の軸は動かないので、ホイールを前に動かす必要が有ります。
その方法はタイヤを叩きます。
![]()
それでもホイールの軸が動かない時は
![]()
キックです。
チェーンの張り具合を調整します。
![]()
バルカンSは大体チェーンの低位置から
上に持ち上げて、1センチ位持ち上がれば
最適な張り具合です。
チェーンを最適な張りにしたところで
アジャスターロックナットを閉めます。
![]()
反対側も
![]()
最後にドリブンスプロケットとチェーンの間に
ウエス等の適当なものを噛ませて、たるみをとった状態で
![]()
アクスルナットを閉めます。
![]()
合いマークの所まで締めこんだら
![]()
割りピンを入れます。
![]()
原則抜いた割りピンを、再使用しない事になっていますが
正直再使用しても何の問題も有りません。
![]()
![]()
私はもう16年も同じ割りピンを使用していますが
問題は皆無です。
ただ見た目に著しい劣化が有る場合は交換してください。
最後にキャップをして
![]()
チェーンの張り調整が終了しました。
![]()
今回は張りを14ミリとしました。
![]()
チェーンのたるみ量について
ドライブスプロケットとドリブンスプロケットの間の
チェーンが最も動く位置で
チェーンを上下に軽く動かした
移動量がたるみ量です。
![]()
どんなバイクもチェーンのたるみ量が
1センチ未満という事は無いので、張り過ぎには注意しましょう。
チェーンがピンピンに張って、殆ど動かない様な状態は張り過ぎています。
チェーンを張り過ぎだと、リヤサスペンションの動きを抑制してしまい
チェーン自体もすぐに摩耗してしまいます。
大体15ミリ位が最も一般的な張り具合です。
(※車種にもよります)
![]()
最後にアクスルナットを閉める際に
どういう訳か、初めの締め付けトルクが、過大になっているように思いました。
バルカンSのアクスルナットの規定値の締め付けトルクは
11キロです。
しかしどう考えてもそれ以上のトルクで締まっていて、初めに締まっていた位置まで締めようとすると
シャフトが壊れそうです。
45センチのレンチで私が乗っかっても締まりません。
私の体重が大体60キロです。
締め付けトルクを計算してみましょう。
60キロ×0.45=27キロ
規定値の倍以上のトルクを加えても回らないという事は
議論の余地も無く、過大に締まっています。
まあナットとボルトのグリスの塗布の有無等も
締め付けトルクに影響するのですが
規定値にこだわらず、必要十分な締め付けと普段の点検で整備不良を防ぎましょう。
▼ 関連記事はこちら