という訳で、次はリアブレーキのフルード交換です。
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バルカンSのリアブレーキのマスターシリンダーボックスは
外からは見えません。
ラジエーターの後ろに位置しています。
反対側から見ると見えます。
という訳でバルカンSの場合は、リアブレーキフルードを交換するには
マスターシリンダーボックスのステーを、車体から外さなければなりません。
まずは外側のステーのビスを外します。
次に車体の裏側のボルトを外します。
これでステーがフリーになりました。
これでやっとマスターシリンダーボックスを取り出せました。
そしてマスターシリンダーボックスの蓋を留めている
カバーを外します。
最後にマスターシリンダーボックスを、適当な場所にステーをかけます。
次に、リアキャリパー側のフルード交換の準備です。
ニードルキャップを外します。
メガネレンチをかけて。
ホースを装着。
ホースをクリップで留めて。
準備完了です。
マスターシリンダーボックスの蓋を開けておきます。
後はブレーキペダルを手で押し込んで、圧力をかけて
キャリパーのブリードニップルを緩めます。
そして再びブレーキを掛ける。
これを繰り返してブレーキフルードを入れ替えます。
フロント同様に、マスターシリンダーボックスの液面が下がって来るので、新しいブレーキフルードを注ぎます。
ちなみに、リアのブレーキフルード交換の時は、フロントの時ほど神経質にならなくても大丈夫です。
リアのマスターシリンダーボックスはマスターシリンダー本体よりも離れた位置に在るので、ボックスが空に成っても
マスターシリンダーの所まで下がらない限り、エアーが入る心配は有りません。
ABS仕様なのでフロント同様に、ブレーキフルードの入れ替え量は多くなります。
詳しくはABS経路図を参照してください。
最後にマスターシリンダーボックスのブレーキフルードが規定値になる所まで、フルードを入れます。
UPPER(上限)とLOWER(下限)の間に
ブレーキフルードの液面が来るように入れます。
上限と下限の間と言っても実際には、フルード面を下限付近の位置にはしません。
それはブレーキパッドが減ってくると、液面も下がるので
下限付近に液面を持って来ると、下限よりも下がった場合にフルードの補充の必要が出てきてしまうからです。
なので上限の位置を目安に、フルードを入れるのが基本です。
マスターシリンダーボックスにダイヤフラムを入れて
蓋をします。
蓋のカバーをしたら、後はステーで固定します。
これでABS搭載車の、ブレーキフルード交換が完了しました。
ABS搭載車はブレーキホースが、ABSユニットを介して
キャリパー迄繋がっているので
多めのフルード交換を心がけましょう。
またホースが長い分、フルード量も多くなるので
ABS非搭載車と比べた場合、ブレーキフルード劣化の影響は僅かに大きくなります。
なのでABS搭載車は2年毎の交換を順守した方が良いです。
最後に
現在ABS搭載車のブレーキフルード交換に関しては
情報が錯綜している様です。
ネット上の記事、又はメーカーですら謝った認識の情報が多いです。
※メーカーのカワサキさんですら、誤認していました。
多いのが、ABS搭載車のブレーキフルード交換に関しては、ABSユニットを専用の器具で経路を開放させて、フルードを交換しないと、ABSユニット内のフルードを交換できないという、誤った情報が結構出ています。
恐らくはBMWを始めとするABSユニットや、国産車のコンバインドブレーキ、CBR1000RRのコンバインドABS等
これらはユニットに独立したブリードニップルが在り、そこから古いフルードを排出する構造になっています。
この印象が現在の汎用タイプのABSユニットにも影響しているのかと思います。
ちなみにCBR1000RRのコンバインドABSは、フロント側だけでも6か所のブリードニップルが在るという事です。
またABSユニット内の経路を開放するのには、専用モードにする必要が有り、カウルやラジエーター、マフラー等を外す必要が有り、とんでもなく大変な作業だそうです。
いくらSSバイクと言えど、ブレーキフルードを交換するのに、そこまで整備性が悪いのは、設計に問題が有ると言わざるえません。
我がバルカンSもエアークリーナーまでアクセスるのに、タンクを外さなければらない事を知った時はショックでした。
バイクは高性能化が進み、マスの集中化に伴い
整備性が悪化しています。
やはりバイクの様に、自分で整備する機会が多い乗り物に関しては、整備性の改善をメーカーさんには努力して欲しいものです。
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