これから実際にABS車のブレーキフルードを交換します。
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それでは工具類を用意します。
● ホース
● ペットボトル
● ワンウェイバルブ(逆流防止弁)
● ブレーキフルード
新しいブレーキフルード
DOT4
ブレーキフルードには規格が有り
DOT3 ドライ沸点 205℃
DOT4 ドライ沸点 230℃
DOT5 ドライ沸点 260℃
DOT数が上がる程、高性能になっていきます。
しかし、高性能になればなるほど吸湿性が高くなり、寿命は短くなるので注意です。
現在の自動車では殆ど全てがDOT4指定になっています。
ブレーキフルードは塗装に対して、攻撃性が強いので
マスターシリンダーボックス付近を徹底的に養生します。
養生の仕方はどんな方法でも構いません。
一般的なのは、ウエスやタオル等で
マスターシリンダーボックス付近を養生する方法です。
今回はゴミ袋とマスキングテープで養生します。
またブレーキフルード交換作業の時は、必ず水を用意しておきましょう。
何故かと言うと、ブレーキフルードが塗装面にこぼれてしまった場合は、すぐに水で洗い流せば、水溶性のブレーキフルードは希釈され、流れていくからです。
フロントのマスターシリンダーボックスの蓋を外します。
ボックスはプラスドライバーで外れます。
マスターシリンダーの蓋には
ダイヤフラムが装着されています。
▼ ダイヤフラム
ダイヤフラムはブレーキフルード液面が下がっても
ダイヤフラムが下がった液面に追随する事で、空気の層を作らない為の装置です。
やはり3年経過しているので、色が黒っぽくなっています。
次にキャリパー側のブリーダーバルブに、メガネレンチをかませます。
そして、ブリーダーバルブのキャップを開けて
ホースを連結します。
ホースがずれない様に、バンドで固定します。
次に、ホースの反対側のワンウェイバルブを
ペットボトルに入れます。
これで、ブレーキフルード交換の準備が出来ました。
ここでABS搭載車の場合は、気を付けなければならない点が一つあります。
ABSユニット(ハイドロリックユニット)は
車種によって設計が違います。
なので自分の車種が、どういったABSユニットを採用しているかを確認してブレーキフルードを交換しましょう。
バルカンSのABSユニットは汎用タイプなので、通常のブレーキフルードの交換手順で問題ありません。
ただ1度ABSユニットを介しているので、その分経路が長くなってます。
▼ ABS未搭載車の場合
図の様にマスターシリンダーからダイレクトに、キャリパー迄ホースが繋がっています。
▼ ABS搭載車の場合
マスターシリンダーから1度ABSユニットを介して
ホースがキャリパー迄行っているのが解ります。
その為に、ABS非搭載車に比べてブレーキフルードを
2.5倍~3倍の量を交換しないと、全てのフルードを交換する事は出来ません。
まず、ブレーキレバーを握って圧力を発生させます。
レバーを握った状態を保って、キャリパー側のブリーダーバルブのナットを緩めると、古いブレーキフルードが排出されます。
この角度だとメガネレンチを上に上げれば
ナットが緩んで、ブレーキフルードが排出されます。
この作業を繰り返して、ブレーキフルードを新しく入れ替えます。
この作業中に絶対にマスターシリンダーボックスが空に成らないうちに
新しいブレーキフルードを補充してください。
マスターシリンダーボックスが空になってしまうと、上からエアーが入ってしまいます。
この作業を繰り返して、キャリパー側から排出されるブレーキフルードが綺麗に成ったら、作業終了です。
最後にマスターシリンダーボックスのフルード量を適正値まで入れます。
見方は車種によっても違いますが、基本的には
マスターシリンダーボックスに下限、上限のラインの表示が在ります。
車種によってはマスターシリンダーボックスの内側に、フルードの上限ラインが在るものも有ります。
バルカンSの場合はマスターシリンダーボックスの外側に下限ラインのみの表示が在ります。
ちなみに上限は(UPPER)又は(MAX)
下限は(LOWER)又は(MIN)
の表記になります。
マスターシリンダーボックスの窓は必ず、車体を真っ直ぐにした状態で、ハンドルを真っ直ぐにした位置が測定位置です。
自分ひとりでやる場合は、
スマホやカメラを三脚を使って、確認する方法が便利です。
リモコンシャッターを使えば任意に写真が取れます。
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