ブレーキ整備で重要なのがブレーキフルードの交換です。
ブレーキフルードは大体2~3年で性能が落ちてきます。
▼ 詳しいブレーキフルードの解説はこちら
今回はエアー抜きが上手くいかないケースの
攻略法を解説します。
ちなみにバイクのブレーキフルード交換作業は
四輪車と違い1人で交換作業を行えるので簡単です。
▼ ブレーキフルード交換作業の解説はこちら
ブレーキフルード交換作業は簡単ですが
マスターシリンダー、ブレーキホース等を交換した後に行う
ブレーキフルードのエアー抜き作業は結構大変です。
何故ならこれらの作業ではブレーキホースを空にしてしまうので
最後に‶ エア抜き作業 ‶が必要になってくるからです。
私も3回この作業をやりましたが
慣れないと延々とブレーキレバーを握っても
エアーが抜けない事があります。
結局その日は諦めて翌日、再挑戦して何とかエアー抜きする事が出来ました。
という訳でエアー抜きの極意を解説します。
ちなみにこの記事はブレーキホースを交換したり、マスターシリンダーをオーバーホールしたりして
マスターシリンダータンクが空の状態から、ブレーキフルードを入れていく作業の解説になります。
▼ 一般的な単にブレーキフルードのみを効果する場合は、こちらです。
この時の作業では通常のブレーキフルード効果作業と違い
エアー抜きが難しいです。
では解説していきます。
まずブレーキホースをキャリパーとマスターシリンダーに繋げたら
ブレーキフルードをマスターシリンダータンクから入れます。
マスターシリンダータンクの上限ラインまで、ブレーキフルードが入ったら
次にブレーキをかけた状態を保って
マスターシリンダー側のバンジョーボルトを一旦緩めて、すぐにまた締めます。
このブレーキをかけながら、バンジョーボルトを緩めてすぐ締める。
これを繰り返してブレーキフルードがマスターシリンダーから、ブレーキホース内を通ってキャリパー側に送られていきます。
この時にマスターシリンダータンク内の
ブレーキフルードの液面が下がっていくので、その都度マスターシリンダータンクにブレーキフルードを補充して下さい。
※ 絶対にマスターシリンダータンクを空にしないで下さい。
空にしてしまったらブレーキホース内にエアーが入ってしまっているので、その時は再度やり直して下さい。
そして無事にキャリパー側からブレーキフルードが出てきたら
一旦マスターシリンダー側のバンジョーボルトを締めます。
次に同様にブレーキをかけた状態を保って今度は
キャリパー側のバンジョーボルトを緩めてはすぐに締めます。
キャリパー側のバンジョーボルトからブレーキフルードが出てきたら、ホース内にフルードが入ってきた証拠です。
この段階で第一段階の作業が終了です。
あとはこの作業をマスターシリンダー側から再度エアー抜きをして、キャリパー側とも再度エアー抜きをしてと、何度か繰り返して
キャリパー側から出てくるブレーキフルードに
全くエアーが混入しなくなって、綺麗にブレーキフルードのみが出てくる状態になれば、
第二段回終了です。
そして最後にブレーキ圧チェックをします。
ブレーキレバーを握った時にしっかりと、レバーが硬い状態になっていて
ブレーキをかけた時に、ちゃんとホイールをロック出来なければなりません。
試しに近くを走ってフルブレーキをかけて、テストすれば確認出来ます。
この時軽く走ってブレーキをかけた時に
ホイールロック出来ていればエアー抜き完了です。
おめでとうございます。
しかし! これが中々うまいくいかない事があります。
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なんでエアーが抜けないのか?
失敗のパターンは結局キャリパー側からいくらエア抜きをしても
ブレーキホースの中や上方向に溜まったエアーは
下からは抜けません。
そんな時はハンドルを逆に切ったり、ブレーキホースを動かしたりしてブレーキホース内の空気を上まで(マスターシリンダー側)まで持ってきます。
そして根気よくブレーキをかけてはマスターシリンダー側のバンジョーボルトを緩めて、何度もブレーキフルードを出してエアーを追い出します。
この作業を繰り返せばレバーが固くなり、エア抜きが完了するはずです。
つまり結論はエア抜きが出来ない場合は
【エアーはブレーキホース上のバンジョーボルトから抜くべし】
という事です。
結局空気はブレーキフルードよりも軽いので
いくらキャリパー側の空気を抜いても、空気は上に溜まって行って最終的にはマスターシリンダー側に来るのです。
そしてそれでもエアーが抜けない時の
もう1つの荒技を伝授します!
バイクのハンドルを左右に振ったり
傾けたりしてブレーキ経路内のエアーを動かしてやります。
(※ この時バイクを倒さない様に注意して下さい)
これでしぶといエアーもやがては、上部に上がってくるはずです。
上部に上がってきたエアーはマスターシリンダー側から、エアー抜きをすれば抜けてくれます。
そして最後に変わった秘策を紹介します。
エアー抜きの秘策!
どうしてもエアーが抜けない場合は秘策を使います。
それは注射器の様なポンプを使って
キャリパー側のバンジョーボルトから
フルードを吸い出したり、圧送したりしながらマスターシリンダー側でエアー抜きをする方法です。
これなら下からも圧を送れるので、マスター側に溜まったエアーを抜くのに有効です。
そして最後に
エア抜きが完了したもののブレーキを操作した時に
制動域が以前よりも深くなる事があります。
それは何故かというと、エアーが抜けきっていないからです。
つまりはエア抜きに失敗しています。
エア抜きが不完全だとフルード経路にエアーを経由してしまうので
ブレーキをかけても残った内部のエアーが圧縮される分だけ
マスターシリンダーピストンが稼働するので、ブレーキ操作が深くなります。
しかしブレーキをかけると一応効くので
エア抜きが完了したと勘違いしがちです。
その場合の対処法も同じく、殆どの場合
上部のマスターシリンダー側の、バンジョーボルト付近にエアーが溜まっている事が多いです。
エアーが残っている場合はブレーキをかけて、バンジョーボルトを緩めた時に(ピュッ)という音と共にブレーキフルードが出てきます。
ブレーキの利きだけでなく、ブレーキの深さも確認しましょう。
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